人気のパワースポットや注目の場所へのバス旅を月1回セレクトしてお届けする。3月は鉄道唱歌の山陽・九州篇から1節を抜き出してバスでトレースする。また巻末に「バス占い」を掲載するのでバスファンでなくても心の潤滑剤としてお楽しみいただきたい。
文:古川智規(バスマガジン編集部)
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■鉄道唱歌は東海道だけではない
明治時代に誕生した鉄道唱歌は「汽笛一声新橋を」で始まる東海道篇が有名だが、実は当時敷設された鉄道網の多くに歌詞が付けられている。今回は山陽・九州篇から36番をバスでトレースしてみる。
歌詞は次の通りだ。「小倉に又も立たちもどり ゆけば折尾の右左 若松線と直方(なほがた)の 道はこヽにて出あひたり」である。小倉は現在の北九州市小倉北区にある山陽新幹線の全列車が停車する一大ターミナルだ。
「小倉に又も立ちもどり…」とは、この前の歌詞に日豊本線の宇佐まで寄り道をしたので戻ってきたという設定だ。鹿児島本線は門司港から小倉を経て黒崎、折尾と進んで博多方面に至る。
筑豊本線は若松から折尾を経て直方方面へと鹿児島本線と交差している。しかしバスのルートは折尾からではなく、黒崎から直方方面に向かう。
■小倉から直方まで乗り換え1回!
北九州市を走る路線バスの大手は西鉄バス北九州だ。小倉のターミナルは本社と小倉営業所がある砂津だが、多くのバスが小倉駅前を通る。西鉄黒崎バスセンターで1回乗り換えれば歌詞にある直方まで行くことができる。
砂津の黒崎方面行きのバス停は営業所の前にあり、昔から砂津バスセンターと称されていたが、現在は有人窓口や売店はない。黒崎駅方面には複数のルートがあるが、「1番特快」の黒崎行きに乗車してみよう。
この路線はかつて北九州市内を走っていた西鉄北九州線の路面電車をトレースしており、小倉駅前には停車しないが小倉駅入口に停車する。
また、特快系統の一部にはメルセデスベンツの連節車「シターロG」が投入されており、鮮やかなブルーの連節車はファンに人気だ。
特快は停車停留所が少ないので、各停系統を抜くこともあるが、連節車ゆえの取り回しの難しさや停車位置をきっちりと守らなければ後ろのドアから乗降ができない等の理由があり、ダイヤ上の所要時分に関わらず全体として特に早いということはない。
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