■酷暑でもさわやかな空気が流れる境内
筆者が訪れたこの日は朝から30度を超え、軽く死ねるような暑い日だった。しかしいくつもの鳥居をくぐると、さわやかな空気が流れ別世界のような雰囲気に神聖な神社の境内を歩く様を実感できた。手水舎には紫陽花の花が置かれ、季節を楽しむことができた。
本殿は一間社流造で、現在でも館林城を守護している。城郭の北東隅(鬼門)の方位にあたる地に相対していて、神社建築としては珍しい西向きだ。授与所では同社の御朱印の他に、館林七福神めぐりの札所にもなっているので、本殿の裏側に祀られている弁財天の御朱印も授与されている。
参道は脇の道路の方が広いので駐車場の方から歩いてくるとどうしても見落としがちになるが、正式に鳥居のある方向から参内したいところだ。また毎月第3・第5土曜日に開催されている骨董市もあるなど、市民にも親しみのある神社だ。
■交通と周辺の観光地
今回は尾曳稲荷神社についてお届けした。徒歩であれば東武館林駅から約20分ほどでたどり着けるが、バスなら「館林・板倉線」で7分ほど、「子ども科学館前」バス停が最寄バス停である。
基本的に年末年始を除く毎日運行するが、日曜・祝日は本数が半減してしまうので乗車前にダイヤは確認したほうがよいだろう。運賃は1乗車200円だ。
ちなみにバス停前にある「子ども科学館」は「向井千秋記念子ども科学館」という建物でこの館林市出身の宇宙飛行士である向井千秋さんを記念した施設となっている。
関連した展示物のほか県内最大直径23mの大型ドームで見るプラネタリウムも人気だという。天体観測室もあり遥か向こうに見える星空や天体を眺めることでより宇宙への興味をもってもらえる施設となっている。
館林市の歴史をたどり、遥か昔からこの街を守り見続けてきた神社と、科学館で宇宙科学に触れまだ見ぬ未来と、数百年に渡る歴史を学ぶ1日を楽しんでいただきたい。偶然なのか尾曳稲荷神社が創始されたのは天文元年であり、天文学との由緒を感じるのは考え過ぎだろうか。
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