■当時の最先端技術をフル活用!
長久手会場のバスターミナルには色とりどりのバスが発着していた。今、紹介している名鉄バスセンターからのシャトルバスのほか、名鉄瀬戸線の尾張瀬戸駅・名鉄豊田線の黒笹駅からのシャトルバス、周辺駐車場からのシャトルバス、EXPO直行バスとして周辺府県からのバスなども発着していた。また愛・地球博では最新技術の取り組みも積極的に行われた。
万博ITSと呼ばれ現在では各地で見かけるようになった道路上の駐車場混雑状況を示す案内板、パソコンや携帯電話から渋滞情報や駐車場の満空情報、電車・シャトルバスの運行状況、会場内のパビリオンやイベント情報を手に入れることができた。会場までのルート上ではリアルタイム信号制御やシャトルバスに対しての優先信号制御という取り組みも行われた。
尾張瀬戸駅からのシャトルバスにはスマートプレートと呼ばれるナンバープレートが取り付けられ、そこに埋め込まれたICチップと道路上にある外部のアンテナと通信をすることで運行しているバスの特徴や運行に要している時間等の状況を知ることができたという。
■当時でも観客増に対応できなかった?
今回は2005年にタイムスリップして愛・地球博についてお届けした。名鉄バスセンターからのシャトルバスは順調のようにも思えたが、会期後半になると来場者の増加に対してシステムがうまく回らなくなった。既存のバスセンター、それも降車ホームを使っていたこともあり元々人を並べられるようなスペースがあったわけではないので、3階のフロアが会場に向かう人でいっぱいになってしまたことと、車で会場周辺の駐車場に向かう人が集中した。
その渋滞が東名高速道路上にまで渋滞が伸びてしまいシャトルバスが専用ルートに入る前に渋滞につかまり到着までかなりの時間を要するようになってしまった。よって筆者も後半は時間の読めるリニモやJRでの利用という形にスイッチしてしまった。
このようにいろいろ問題もあったのだが、交通手段やその運行システムはその後のインフラにもフィードバックされて現在ではバスタなどに行くと発着案内や到着するバスの運行情報、スマホで手軽に情報を得られるようになり技術が生かされている。さらに現在開催中の大阪・関西万博では自動運転バスやEVバスなどさらに新しい技術が取り入れられている。
20年という時間を経てより進化を感じることができるのではないだろうか。またこのシャトルバス以外にも愛・地球博ではさまざまなバスが運行されていた。それらについては別稿でお伝えするとして、覚えている方は大阪・関西万博にぜひ出かけて当時のシステムとの対比で各自がシステムの完成度を判定してみてはいかがだろうか。
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