新潟交通が毎年開催している「バスまつり」の中でひときわ盛り上がるバス部品の販売会「ガラクタ市」は、11月1日(土)に「お宝発掘ツアー2025」というタイトルで独立開催された。その様子を見てみよう。
文:古川智規(バスマガジン編集部)
(詳細写真は記事末尾の画像ギャラリーからご覧いただくか、写真付き記事はバスマガジンWEBまたはベストカーWEBでご覧ください)
■開催の経緯
バスやバス停関連の廃品販売「ガラクタ市」は例年「万代シテイバスまつり」で開催され、人気コーナーであるとともに同社にとっては収入の一助であったことは言うまでもない。そして2025年は初の試みとして、販売品の充実とバスファンとの交流を深めるため「お宝発掘ツアー」と称して独立して開催することにしたという。
プログラムは新潟駅発着の「銀バス」を使用したミステリーツアー形式で、ランチのお弁当とノベルティ配布、即売・入札商品を購入するツアーとして参加費5000円で募集した。最終的に44名の参加者で催行したようだ。
廃車発生品の販売や入札はよくある催しだが、ツアー形式というのは珍しい。主に乗りバスや撮りバスを主軸とするバスマニアでも参加すれば何倍も楽しいのではないかと感じられた。
■どこへ行くの?
開催当日は新潟駅南口の臨時バスのりば(通称「アルビバス停」)付近に建植した専用バス停を探して集合するところからスタートという、集合地探しからミステリー要素があり楽しそうだ。無事に集合地到着後はノベルティ入り番号名札をくじ引き形式で引くのだが、この番号が販売品の購入順となる。
またツアー用の車両もよく考えられており、いずれも新潟南部営業所の1号車はH673(三菱ふそうに見える日産ディーゼル車)、2号車はH523(日産ディーゼルに見える三菱ふそう車)の布陣で、2台の意味について主催者から参加者に問題を提示して正解者は数名だった。
南部営業所に入庫し、いきなりトイレ休憩になった。乗ってきた車両が南部営業所所属車なので同地が会場と思いきや、洗車機を通過し裏口から出庫してしまった!! 西部営業所や潟東営業所に向うことができるルートから急に左折し、2台は一路「酒屋車庫」へ向かった。
■会場にトイレがないじゃない!
酒屋車庫は現在は無人で待合室すらない。土日は定期バスの設定がないことから、広い敷地にテントを立て、駐輪場を活用して販売会場とした。
待合室もそれらしい建物もトイレもない場所なので、緊急用トイレと休憩室として、何と高速車が手配されていた。トイレのためだけに高速車を持ってくるとは新潟交通おそるべしだ。
■高額入札はなしだが幕は飛ぶように…
販売商品は新潟交通観光バス、新潟交通佐渡を中心にグループ各社から、約50種、500品程度が出品された。販売商品の販売価格の中心帯はは500円から10000円で、中には同社企画チーム自ら廃車体から取り外したものもある。
入札が必要な商品では、「なまずバス」の前面パネル(最低入札価格314万円)、五泉営業所の出札窓口(同5万円)などが目玉だった。しかし、いずれも入札がなく同社担当者は「実は大切に保管しておきたいものでもあるのでほっとしている」と語ったとか語らなかったとか。
もっとも人気だったのはやはり方向幕とバス停盤面、音声テープだったようだ。もはや幕車がない現在では、販売しても今後は残数は減る一方の部品なので貴重の度合いは増している。音声テープも音声合成が可能になった現在ではもはや無用の長物になりつつある。
参加者は「戦利品」を大切に梱包し、往路と逆のバスに乗車しいて帰路についた。新潟駅への帰路では最寄りの工業団地内の「北村製作所」前を通過した。かつてのバスの車体メーカーである。バスはシャシーとボデーは別会社が製造するのでかつては多くのボディーメーカー・コーチビルダーが存在した。







コメント
コメントの使い方