京浜急行電鉄と京急グループの東洋観光、シナスタジア、サムライインキュベートが共同で、VRやAR技術を活用した横浜の魅力を発信する「オープントップXR観光バスツアー@横浜」の実用化の第1弾として、実験的にバスツアーを運行した。
このバスツアーを取材したのでレポートする。XRとはVR(仮想現実)やAR(拡張現実)、MR(複合現実)等の現実と仮想空間の融合体験を可能にする技術である。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
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やってきたバスはエアロキング!
受付を済ませて待っているとオープントップのエアロキングがやってきた。そろそろ車齢的に厳しくなる時期だが、少なくとも今年度中はまだ走るとのこと。いずれにせよ製造中止から年数が経過しており、今のうちに乗っておきたい車種だろう。
ところで本ツアーに参加するとダブルデッカーの2階席でVRゴーグルを装着するのだが、せっかくオープントップのエアロキングで横浜市内を巡るわけなので、そのまま港町の景色を見た方がいいのではないだろうか。
バーチャルで行くなら会議室の座席に座ってゴーグルを装着するのと同じではないのだろうか。そんな懐疑的な思いを抱きつつ、エアロキングの2階席に座った。
エアロキング、発車〜!!
感染防止対策のためと、実験的なツアーなので募集定員は4名と少ない。実際には機器を操作したり案内をしたりと数名のスタッフも乗車しているが、それでも乗員乗客合わせて10名以下だろうか。
聞きなれたエアロキングのエンジン音がうなり、バスは京浜急行本社前を出発した。数分の案内後にゴーグルの装着が指示される。
この段階ではゴーグルのカメラを通して肉眼で見たままの風景がゴーグルの中に広がる。エアロキングのスピーカーから音声や音楽が流れるのでイヤホンは不要だが、バスが進むにつれて風景の中にキャラクターが現れて物語がスタートする。
ゴーグルの中の写真は撮影できないのでイメージ画像と文章で説明するしかないが、要するにオープントップにより開けた空間がそのまま無限大のスクリーンとして利用されていると表現すればお分かりだろうか。