バス停散策の終点シリーズは東新小岩三丁目と東新小岩四丁目だ。1停違いの隣の停留所でいずれも同じ系統の終点だが運行社局が違うだけで終点が異なる。さらに驚くのは終点が異なるだけでは済まない。隣同士の終点、そこまで変える必要が合うのだろうか? その不思議に迫る。
文/写真:小野寺利右
編集:古川智規(バスマガジン編集部)
東新小岩三丁目と四丁目という隣同士のバス停
東新小岩三丁目と東新小岩四丁目という隣同士の停留所は、葛飾区のJR新小岩駅から少し離れた場所だ。路線は蔵前橋通りを走って当地で終わってしまう。同じ路線で営業所があるわけでもないのに運行社局により異なる終点を訪ねた。
この場所に行く路線のひとつは都営バスの「新小29」系統で、ここから環七通りで一之江駅前を経由して葛西駅前まで行くのが主要な系統だ。また枝線の系統で東京臨海病院まで行く便もある。
もう一つは以前に乗りバスレポートで紹介した「新小20」系統で、一之江駅前と当地を結ぶ。これは都営バスと京成バスの共管路線である。
京成バスと都営バスそれぞれに転回場が!
新小20系統の京成バス便は蔵前橋通りにある東新小岩三丁目が終点。終点で降車扱いをした京成バスは、回送で右折して転回場に入る。京成バスの転回場は狭く本当に「転回」するためにターンテーブルが設置されている。つまり入った入り口からバスが出ていく形になる。
一方で都営バスは東新小岩三丁目を出て、少し進んだ信号を右折したところに都営バスの転回場があり、そこに降車専用停留所がある。よって東新小岩四丁目バス停は蔵前橋通りにはなく、転回場で降車扱いをして折り返し待ちになる。
都営バスの転回場はワンブロック分を通り抜けて元の蔵前橋通りに戻れるようなスルー構造になっているので敷地面積は広い。始発の東新小岩四丁目バス停は蔵前橋通り上に設置されているので、転回場からごく短距離を回送してやってくる。
営業所があるわけでもないし、入出庫する便数が多いわけでもないので共用して系統を統一してもよいと思うが、新小岩駅から路線を付近の住宅地開発に合わせて両社局が延伸してきた経緯があるので、それを踏襲しているのだと考えられる。