バスに限らずクルマを支える地面と接する唯一の部品がタイヤだ。月に一回は空気圧の点検をしたいもの。そんな空気圧だが乗用車の場合は車種にもよるがだいたい200~300kpa程度。しかし乗用車よりもはるかに重いバスの空気圧をご存知だろうか? 意外な数値にビックリするかもしれませんよ!!
文:古川智規(バスマガジン編集部)
【画像ギャラリー】いろいろなタイプのバスタイヤ(8枚)画像ギャラリータイヤの空気圧は重要!
運転免許をお持ちの方は教習所で「タイヤの空気圧は適正値にしましょう」と教わるが、自動車の取扱説明書にも具体的な数値が記載してあって、なるほど見ればその車種の適正値は分かるようになっている。ところで、タイヤの空気圧は高すぎても低すぎてもいけないのはご存じの通り。それはなぜなのか?
単純に空気圧が高いとタイヤがパンパンに膨らみ接地面積が減り、低いとその逆だというのは感覚的には分かるだろう。これにより、空気圧が高すぎるとタイヤの中央部のみが接地するのでセンターだけが摩耗する。またせっかく空気が入っているのに、あまりにもパンパンだと乗り心地が悪くなる。
逆に低すぎると、接地面積が増えるので抵抗が増し燃費が悪くなる。そして接地面積が大きいことで発熱が大きくなり最悪の場合バースト(破裂)する可能性がある。また特に大型車ではハンドル操作がしにくくなる。
空気があまり入っていないと路面の衝撃を吸収できなくなり、やはり乗り心地は悪くなる。と、高すぎても低すぎてもいけないのだ。
メーカー指定をもとに事業者により異なる
バスの場合も基本はメーカー指定の空気圧を適正値として空気圧を保つ。しかしバスの場合は座席数や定員、路線の特徴や乗客の多少により事業者が適切に判断して決めている場合が多い。
例えばいすゞのバスを例にメーカー指定の適正値を紹介すると、大型路線バスであるエルガのタイヤサイズは275/70R22.5-148/145Jで、空気圧は900kPa{9.00kgf/cm2}(以下同じ)だ。
中型路線バスのエルガミオの場合、245/70R19.5-136/134Jで、850kPa{8.50kgf/cm2}。大型のハイデッカー車ガーラの場合は採用するタイヤにより異なり725kPaから800KPaまでさまざまだ。