富士急行のプレスプレビュー(報道関係者向けの内覧会)に参加して富士急ハイランドを取材するために集合場所に到着すると、そこには堂々とフジエクスプレスのダブルデッカーが「鎮座」していたので慌ててカメラを取り出した。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
撮影協力:フジエクスプレス
【画像ギャラリー】フジエクスプレスのT0001スカニア・バンホール運転席をじっくり!
「T0001」を冠する高速車
フジエクスプレスは富士急行の系列会社で、東京でのバス拠点を分社化したものだ。同社では東京での貸切バスから渋谷区や港区のコミュニティバスの運行受託や、昨今では富士五湖線等の高速バスも運行している。
ちぃばすやハチ公バスはよく見るのではないだろうか。主として日野ポンチョで運行されるが、車両後部にはしっかりと「フジエクスプレス」と社名が入っているのでファンの方は別としても不思議に思われた方も多いだろう。
なぜならば「フジエクスプレス」を和訳すると「富士急行」になるからだ。富士山の会社がなぜゆえに23区内のコミュニティバスを運行しているのかという疑問だ。前述のような経緯からフジエクスプレスは東京都のバス会社なのである。
富士急グループでは初のダブルデッカーの導入だが、スカニア・バンホールのInterCityDDだ。旅客定員は1階10席、2階48席の合計58席。社番T0001は栄光のトップナンバーというわけではなく、2000年に導入したのでたまたまなのかもしれないが、それに合わせて希望ナンバーで「品川202い…1」を冠するのはやはり特別感がある。
今回は報道関係者向けに行われた富士急ハイランドプレスプレビューに参加して取材した際に、集合場所にわざわざ同社がダブルデッカー車を持ち込んで展示していたのを運転士の話を聞きながら撮影したものだ。よって運転席周りを中心に紹介したい。
外観は高速車で走っているので見かけることもあるだろう。フルカラーLEDの行き先表示は「富士急行」になっていた。やはりフルカラーは目立つ印象がある。
そして銘板は前方下部ではなく、前ドアの上に貼ってある。輸入車なので日本語表記はない。右側のスカニア・スウェーデン製の銘板はシャシー(ざっくりいうとエンジンや運転装置や骨組み)メーカーのもの。
左側のバンホール・ベルギー製の銘板はボデー(骨組みの上に乗っているバス全体のボディ)メーカーのものだ。