最近は鉄道の世界でも線区・列車の廃止議論が多く、実際に廃止が現実のものとなり、さみしい限りだ。廃止目前の列車の指定券はそれこそ争奪戦になるので、乗ることすらかなわないまま廃止になってしまうこともある。
今回はそんな状況で入手困難な「奥出雲おろち号」の指定券が取れてしまったのはいいが、限られた休みの中で現地まで行くのに四苦八苦した乗りバス&乗り鉄の記録である。
文/写真:東出真
編集/前文:古川智規(バスマガジン編集部)
JR名古屋バスターミナル
お盆休みを使ってどこかへ旅行でもと計画していたところ、いま話題の列車の指定席が取れたので中国地方へ行ってきた。記者の自宅からでは夜行バスでないと間に合わないので、名古屋から出発している「出雲・松江・米子ドリーム名古屋号」を利用した。
乗車日は8月16日。出発は名古屋駅太閤口という新幹線改札に近いところにあるJR名古屋バスターミナル。お盆の時期ということもあり、多くの人が待合室に収まらずバスを待っているように見えたが、待合室の外に立っている人はここを出発するバスを待つのではなく、いわゆるツアーバスの流れをくむ高速バスを待っている人だった。横にあるゆりの噴水付近に各社のバス停があるために、自然とこの付近に人が集まっているようだ。
記者が乗るバスは23:10発。それまでは短い間隔で各方面へのバスが出発するため、乗り場の案内をよく見ておく必要がある。並んでいたら違うバスだったということはよくあるが、他社便の乗り場と勘違いして並んでいる人もいて意外と改札に時間がかかるのも夜行便ならでは。発車時刻と会社名、便名はよく確認すること。
「出雲・松江・米子ドリーム名古屋号」が登場!
そんな事情もあり、出発時刻の2310にホームに入ってきたのは本日乗車する「出雲・松江・米子ドリーム名古屋号」。中国ジェイアールバスのいすゞガーラだが、カラーリングは通常のものと異なり白をベースに金色で書かれた「GranDream」と月と星をデザインされた車体が、夜行便でありハイグレードな印象を感じる。
乗降口で改札を済ませて車内に入ると3列シート、そして夜行便らしく厚めのプライバシーカーテンがずらっと並ぶ。乗客はそれぞれ着席してからカーテンを引いて発車に備えるという感じだ。
記者もすぐに着席して自分の寝やすい体勢を整える。座席はリクライニングすると座面の高さも変わるクレイドルシートとなっていて、非常に座り心地のよい座席となっている。
フットレスト、レッグレストがあり、頭の当たる部分には上下に稼動するタイプのまくらもあり、座席の角度により調整することが可能になっている。 コンセントは肘掛の下にあり、ソケット部分は白いのでプラグを差し込む際に見つけやすい。ただ今回乗車したのは右側のC席で、コンセントは通路側の左側に付いていたので、コードが通路へはみ出さないように注意が必要だ。
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