西日本鉄道はメタバース上に鉄道とバスのミュージアムを構築した「にしてつバース」を 2023年2月25日にオープンする。これはいったい何なのか?プレスリリースから読み解いていく。
文:古川智規(バスマガジン編集部)
その正体はバーチャル博物館!?
メタバースとは、参加者がアバターを操作して自由に行動できる、インターネット上に構築された3次元のバーチャル空間やそのサービスのことだ。
同社では「修正」第15次中期経営計画においてメタバースの活用を重点戦略として掲げ、鉄道・バスのメタバースミュージアム「にしてつバース」をオープンすることになった。要するにバーチャル博物館なわけだが、IT技術を活用して何ができるのか。
西鉄としては、これまで所有していなかった鉄道とバスのミュージアムをメタバース上で展開することで同社の価値・魅力向上を図るとともに、当社オリジナルのコンテンツに触れていただくことでファン獲得に繋げていきたい考え。
なお、鉄道とバスのミュージアムをメタバース上に構築することは、日本初の取り組みだ。
「にしてつバース」では、利用者が操作するアバターがミュージアムを回遊しながら、3D車両や各種展示などを鑑賞できるほか、電車やバスの車両運転席でのスイッチ操作体験などが楽しめる。今後は電車やバスに関する企画展を開催するなど、魅力あるコンテンツを定期的に発信するという。
物販としてのデジタルコンテンツも!
鉄道系の博物館に行けば関連するアイテムをゲットするのはもはや常識なのだが、バーチャル上の「にしてつバース」内では「にしてつ NFT ギャラリー」をオープンする。
データやデジタルコンテンツの唯一性を保証する仕組みであるNFT(非代替性トークン)を活用し、車両の写真がデザインされた同社オリジナルカードを LINE NFT上で販売する。
これらを具体的にどのように活用するのかは未知数だが、LINEアカウントと連携することによりデジタル的に購入物を保管し、LINE上で交換や送り合うことが可能とのこと。
バス関連のコンテンツは?
現在のところ決定しているバスに関するコンテンツとしては、3D モデル(スマートループ)の展示、車両操作体験として、車両運転席でドア開閉や運賃モニターなどの操作が体験できる。
またバスヘッドモデルの展示として、一般路線バス、BRT(連節バス)、高速バス、福岡オープントップバスの車両の一部を展示する。常設ギャラリーとして、西鉄を題材にした漫画(「マンガでわかる!西鉄バス運転士」)のイラストを展示する。
鉄道会社が自社鉄道の常設展示博物館を持つ例は多いが、バーチャルとはいえバスまで網羅する例は珍しい。西鉄は全国にバスファンが多いことでも知られることから、福岡から遠隔地でもバーチャルで楽しんだ後は、実車に乗りに福岡へと向かわざるを得なくなるのは必至か?
もちろん、西鉄電車のコンテンツも充実しているようなので、プロジェクターのような大画面で子どもと一緒に博物館めぐりを楽しんでいただきたい。
【画像ギャラリー】西鉄の「にしてつバース」は2月25日オープン!(2枚)画像ギャラリー
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