バス停なのに乗降不可ってマジ!?  意外な使い方が見え隠れする「バス停じゃないバス停」だと?

バス停なのに乗降不可ってマジ!?  意外な使い方が見え隠れする「バス停じゃないバス停」だと?

 バス停標識には、停留所の名前やバスの出発時刻を掲示するのが普通。ところが、本来の役割から離れた、意外なバス停標識の使い道もあるようだ。

文・写真:中山修一
(本文で紹介する現物の写真付き記事はバスマガジンWEBまたはベストカーWEBでご覧ください)

■あくまでタクシー乗り場です

コミュニティタクシーの停車ポイントに置かれた案内標識
コミュニティタクシーの停車ポイントに置かれた案内標識

 バス停以外の目的で使われているバス停標識の中で、普通のバス停と性質が最も良く似ているのが、コミュニティタクシーの乗降場だ。コミュニティタクシーとは、路線バスでは採算の取れない区間を走る乗合タクシーのことだ。

 タクシー会社が運行しているところから、コミュニティタクシーの総称が付けられている。広い意味ではタクシーもバスの一種に含まれる。

 しかしコミュニティ“バス”ではなく“タクシー”と、サービス提供側が意図的に区別している限り、バスではないと考えるべきだろう。

 コミュニティタクシーは発着時刻や1日の本数が決まっており、路線バスと同じ要領で利用できるものと、予約が必要なものに分かれる。運行にはドライバー含めて10人乗りのワゴン車や、一般的なタクシー車両が使われる。

 出発地と目的地、途中で停車する場所が指定されているのも路線バスと同じで、停車ポイントには、ポールに円型や角型プレートを取り付けた、バス停標識とほぼ同じ姿形の設備がよく置かれている。

 路線名やコミタクの愛称、時刻表などが掲示されているのもバスのフォーマットと同様であり、利用方法や車両以外の設備の形式はどこまでもバスだ。

 とはいえ、ここでは前述の通り、バスと異なる名称を付けて区別している点を尊重して、コミタクをバスの枠組みから外して扱うことにしよう。

 そうなると、停車ポイントに置かれている発着案内の標識は、路線バス向けのバス停とは似て非なるモノ、「バス停じゃないバス停」の一つに数えらえる。

■乗務員へのリマインダー

 続いて、路線バスの設備の一部ではあるものの、バス利用者には直接関係のない使われ方をするバス停標識の例だ。

 経路や行き先(系統)が異なる、複数の路線バスが通る停留所や交差点などには、バスの乗務員へ向けて、「現在あなたが運転しているバスはこの先どちらの方向へ曲がりますか?」のように問いかける、一種のリマインダーが時々掲示されている。

進行方向リマインダーに活用されたバス停標識
進行方向リマインダーに活用されたバス停標識

 文字であったり矢印であったりと、その場所ごとに問い方は様々。途中の停留所であれば、通常のバス停標識に、時刻表などと一緒にリマインダーが貼り付けてある。

 一方で、目立つ場所に独立してリマインダーを掲示させる際、そのバス事業者が使用している(余剰の?)バス停標識を流用することがある。

 このタイプでは、本来バス停名が書かれている部分に、「注意」や矢印などを記すほか、必要に応じて付帯情報が、標識の空いている位置に追加される。

 姿形はバス停標識とまったく同じだが、バス停としての性質を一切持たない、ユニークでバス趣味の好奇心をくすぐる存在だ。

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