自動車の中でもバス車両は長寿命なほうといえるが、車齢30年以上となるとさすがに珍しい。今回は2025年9月に北海道で見かけたネオクラシックな旧車を2台ご紹介!
文・写真:中山修一
(バスマガジンWeb/ベストカーWebギャラリー内に、2025年9月に見かけた旧車の写真があります)
■十勝バス名物! 古い日野ブルーリボン
1台目は、帯広エリアを中心にバスネットワークを広げる十勝バスより。同社では旧年式のバス車両が長く使われており、全国的にも貴重な旧車ホルダー。
日野製のバス車両が主要ラインナップで、先日帯広市内で見かけた一台もまた日野製。「ブルーリボン」と呼ばれるシリーズのうち、なんと1994年に製造されたバリエーション、U-HU3KPAAだ。
黒いライトケースに丸目のヘッドランプを2つ横に配置した4灯ライト、引き違い式の大きなメトロ窓が側面に並び、前・中扉ともに2枚折り戸を装備している。
行先表示器はオレンジLEDに交換済。テールランプは角形で、片側ブレーキ灯3枚+ウインカー1枚の、4枚1組のブロック配置である点がユニークだ。
新車の頃から現地で活躍している生え抜きの車であり、ナンバーを見れば堂々の2ケタ(帯広22 う288)を掲げている。
この車は元々、1987年まで営業していた、帯広〜糠平間を結んだ国鉄士幌線の代替バス向けに導入された1台。
当初はパステル調カラー3色にファンシーイラストを添え、「夢大陸とかち」のキャッチコピーをあしらったデザインだった。
現在は十勝バス標準の黄色に車体が塗られているが、屋根の部分だけオリジナルの白色が残り、過去の経歴を窺い知る特徴の一つとなっている。
■まさか現役がいたとは!? 旭川電気軌道の初代エアロスター
2台目は旭川市内のマクロな交通をカバーする旭川電気軌道の大型路線車。同社もまた道内の代表的な旧車ホルダーの一つと言える希少なバス事業者で、フロントタイヤが左右2つずつ並ぶ3軸車の、1963年式MR430をレストアしたことでも知られる。
ここで紹介するのは、先日旭川駅前を歩いていた際にたまたま停車している姿をパッと見て「あれ? あの顔ってもしや!?」と二度見した1台。
車種は三菱ふそう製エアロスター。エアロスターは現在も新車で購入可能な代表的大型路線車の一つであるが、当日出会ったのは極め付け・初代エアロスターだ。
往年の名車の誉高い初代エアロスターも、今や本当に珍しい車へと変わり、普通の営業運転に使われている場所は全国に数えるくらいしかないハズ。
見かけた車は、1993年式のU-MP618Pと呼ばれる、初代エアロスター(エアロスターM)のうち1990年代初めにマイナーチェンジが行われたバリエーション。こちらも2ケタナンバー(旭川22 か768)を掲げた地元生え抜きの車だ。
ウインカーを組み合わせた黒色のライトケースに、丸目ランプを2つ横に並べた丸目4灯ヘッドライトの、昔のエアロスター顔がなんとも懐かしい。
最近のバスでは見られなくなった2段アルミサッシ窓に加え、前・中扉ともに2枚折り戸が付いた、同社の旧い車に割とよく見られるドア構成。行先表示器はオレンジLEDに交換済みだ。
テールランプは角形で、ブレーキランプ2枚+ウインカー1枚を横1列に並べたものが左右に1組ずつセットされている。
旭川電気軌道の初代エアロスターを最後に見たのは2018年であったが、まさか2025年に今一度見られるとは感服の至り。
ちなみに同日、別の初代エアロスター(か767)ともすれ違った。タイミングが合いさえすれば、ここ旭川では駅前で待っているだけで意外と普通に旧車が来るかも!?
【画像ギャラリー】1990年代製造旧車バスウォッチ〜2025年9月〜(6枚)画像ギャラリー











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