海をテーマにした観光レジャーに強い伊豆半島。その内陸部に目をやると、意外なほど地形が険しい様子に驚かされる。数々の山が聳え、街と街が山々に隔たれている場所も多々あり、そういった街同士を行き来するには、多くの場合峠道を通ることになる。当然、バスなどの公共交通機関も、条件に当てはまるものは峠道を経由するわけであるが……。
文・写真:中山修一
(バスマガジンWeb/ベストカーWebギャラリー内に、伊豆半島の峠道を走る路線バスにまつわる写真があります)
■伊豆半島峠越え(勝手に)5大バス路線
伊豆半島の峠道は1つに留まらず、最も有名だと思われる「天城峠」を含め、結構な数が各エリアにまんべんなく分散していて、なおかつそれら峠道が交通の大動脈として活用されている例も珍しくない。
そんな状況の下、半島内を広くカバーする主要公共交通機関が、東海バスが運行する路線バスということで、路線系統によっては本格的な峠越えをするものが自ずと存在している。
これが海沿いを走るオーシャンビュー路線と肩を並べるくらい、“伊豆のバス”ならではの魅力的な乗車体験を提供してくれて、同地を訪問するならぜひ試しておきたいところ。
そこでここでは、伊豆半島の峠越えをする東海バスの一般路線バスの中から、代表的な路線系統を5つピックアップ。伊豆半島峠越え(勝手に)5大路線に見立てて簡単ながら紹介していこう。
その上で、どれが最も標高の高いサミットを取る“キング”な路線なのかを、現地で乗って試しつつ、GPSで標高を測ってついでに確かめてみた。やっぱり最も知名度の高い天城峠が頂点に? 結果やいかに!?
■(峠1)バサラ峠とW40系統
まずは、伊豆半島南西側の海の街・松崎と、黒船来航で知られる南側の下田との間に敷かれた、県道15号下田松崎線の一部区間にあたる「バサラ峠」から。漢字で書くと婆娑羅峠になる。
バサラ峠には、松崎〜下田駅間を直通で結ぶ「W40系統」が毎日行き来していて、2026年2月現在は半島の南西側と南側とのスムーズなアクセスに欠かせない路線だ。松崎〜下田間の所要時間は約50分。
気になるバサラ峠の標高を見ると、公称値で316mとのこと。現地でW40系統乗車中にGPSを起動してみたところ、最大標高263mまでの記録が付いていた。
ただし乗車中のデータはオマケ程度のGPS機能を使用している(それとバスの高さ加算)関係で、完璧な精度は出ていないと思うので、参考程度といった感じ。
■(峠2)冷川峠とI41系統
続いては、伊豆半島の路線バスの中心地的役割を持っている修善寺と、東側の海寄りの有名観光地・伊東との間に通っている、県道59号伊東西伊豆線に含まれる「冷川峠(ひえかわとうげ)」だ。
冷川峠は、修善寺駅〜伊東駅間を結ぶ「I41系統」の経路になっている。全区間の所要時間は57分ほど。I41系統の区間にも「冷川峠」の名前が付いた停留所がある。
公称値で冷川峠の標高は360mと言われている。I41系統の乗車中に起動しておいたGPS情報を見ると、368mの数値が出ていた。
■(峠3)西伊豆バイパスとW30/W39系統
3つ目に紹介するのが、西側の有名観光エリアである土肥と、修善寺との間を取り持つ国道136号。もともとは標高574mの「船原峠(土肥峠)」と呼ばれる旧道が通っていたが、のちにバイパスが作られ、今日ではバイパス経由が利便性の高いルートになっている。
バイパスとは言っても、山をまたいで進むルート自体は峠越えのそれといった様相。頂上付近まで達すると、見下ろすような立体感のあるアングルで車窓からの景色を楽しめる。
ここを経路に含んでいるのが「W30/W39快速系統」。修善寺駅〜土肥〜松崎までを結ぶ、東海バスの中でも存在感の大きい花形路線で、観光利用も特に多い。全区間の所要時間は1時間35〜38分ほど。
旧道に比べると西伊豆バイパスはやや低い位置に敷かれているようで、GPS情報によるところでは486mがピーク値になっていた。








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