バスのお仕事とは、なにも運転士だけではない。貸切バスのバスガイドも重要な職業だ。現役バスガイドが楽しく真剣に仕事の魅力や大失敗談を赤裸々に語る「へっぽこバスガイドの珍道中」をお届けする。今回はお客様がバスを降りて観光している間にバスガイドは何をしているのかをお話しする。
文/写真:町田奈子
編集:古川智規(バスマガジン編集部)
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■バスガイド待機中です!
バスツアーなどに参加した際に「自分たちが観光している間、バスガイドは何をしているんだろう?」と思ったことはないだろうか。今回は、意外と知られていないバスガイドの待機時間の過ごし方について紹介したい。ボケーっとしているわけではないのでご安心を。
まずは現地を歩いて勉強することがある。お客様が観光している間の時間を、私たちは「待機時間」と呼んでいる。待機時間の過ごし方は人それぞれだが、新人ガイドや初めて訪れる観光地の場合は、自分自身も実際に施設へ足を運び見学や体験をすることが多い。
事前に資料で勉強していても、実際に見たり体験したりしたことは、調べただけの知識で伝えるよりも臨場感や説得力が違う。自分の足で歩き自分の目で見た経験は、その後は何度案内しても活かせる大切な財産になる。
バス事業者により呼称は異なるが、筆者が育った会社ではこうした現地に実際に足を運んで見に行くことを「実踏(じっとう)」と呼んでいた。施設によっては、ガイドの勉強のためにご厚意で見学させていただけることもあり役得とまではいわないが、ありがたく貴重な機会になる。
また、施設がリニューアルされたり、展示内容が大きく変わったりした際には、休日や日勤日を利用してガイド全体で見学に行くこともある。友人のガイドから聞いた話だと、最近では2022年から長期休館していた江戸東京博物館が2026年にリニューアルオープンし、ガイド全体で見学に行ったとのことだ。バス事業者によりことなるが、このような勉強会を行っている会社も少なくないのではないだろうか。
■名物を味わうのも立派な勉強!
観光地の名物やお土産を実際に試してみるのも、待機時間の大切な仕事のひとつである。自分で食べたことがあれば、「これ、美味しかったですよ」と自信を持って紹介できる。後日、お客様から「ガイドさんが紹介していたから買ったよ」「おすすめしてくれたお菓子、美味しかったよ」と言っていただけることがあり責任重大だ。
そんな言葉をいただくと、自分の案内がお客様の旅の思い出づくりに少しでも役立てたのだと感じ、とても嬉しくなる。時には、「美味しかったから」とお土産を買ってきてくださるお客様もいる。そうした何気ないやり取りが、ガイドにとって大きな励みになるのだ。
■先輩から学ぶ時間でもあるし交流の場でもある!
待機時間は勉強の時間でもある。次に担当する観光地について調べたり、分からないことを先輩ガイドに質問したりすることも多い。本や資料だけでは理解しきれないことでも、経験豊富な先輩から聞くことで一気に理解できることがある。
筆者自身も、質問をきっかけに先輩との距離が縮まり、その後仲良くなったことが何度もあった。新人ガイドにはぜひ積極的に実践してほしい勉強方法のひとつだ。もちろん、いつも勉強ばかりしているわけではない。
何度も訪れている観光地であれば、ドライバー・ガイド同士で集まって雑談をしたり、一緒に昼食に行ったりすることもある。ツアー当日は朝が早いことも多いため、休憩時間を利用して仮眠を取る人もいる。待機時間の過ごし方は本当にさまざまだ。



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