一般路線バスのネットワークも全国トップクラスの大阪府だが、空港便や近・中距離高速路線の充実ぶりにも実力を発揮している。沿い周回となるこの第3回では、他地域からの来訪者にもわかりやすい工夫を見せる事業者4社の幕に注目。
文/写真:高木純一(バスマガジンvol.90より)
《金剛自動車》関西ではレアなオージ式を採用
大阪南部富田林市に路線を持つ事業者で、小さい規模ながら地域に濃い路線網を敷いている。
金剛自動車の方向幕は関西では珍しいオージ式を採用し、面白いことに前面と同じ幕を側面にも使っているとても珍しい事業者なので、小規模だがあえて取り上げてみた。
金剛自動車もほぼ黒インクのみで構成され、相互表示メインでローマ字なしのレイアウトだ。前面と側面共用なので前面のように単純すぎず、側面のように細かすぎず、といったちょうどいい文字量の幕だと感じられる。
《西日本ジェイアールバス》独自書体の社名表示コマがない
大阪府内に一般路線は無いが、高速バスを多数運行し府内を拠点にしている西日本ジェイアールバスの高速バス方向幕は、青文字幕をメインにしており基本的には用途ごとの区分けは無い。
ドリーム号用車両でも近距離高速路線が入っていたりする。S-light製の小型バーコード検知式表示機を採用しているのはジェイアールバス関東も同じだ。社名表示コマを独自書体で作っていないのはJRグループでここだけである。
《大阪空港交通》伝統の青ベタ幕に角文字書体を導入
阪急グループの一員で、大阪空港を中心にリムジンバスを運行する事業者である大阪空港交通の方向幕は昔から青ベタ幕で、「角文字」の書体を導入したのは府下では早かった。
当時ローマ字併記幕を作った際にローマ字だけを角文字にし、それが漢字にも波及したが、さらにその後ローマ字にのみ角文字に戻った。
側面幕は地区の停車順と共にホテルの停車順も併記される。S-light製のバーコード検知式表示機を採用している。