東京と九州の間の移動は航空機や新幹線またはバスファン的には「はかた号」の選択がある。さらにもう一つの選択肢はフェリーだ。バスマガジンの記事だが今回は西鉄バスをトップランナーとしてフェリーでつなぎアンカーは都営バスという読み物記事だ。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
【画像ギャラリー】北九州-東京を西鉄バス・オーシャン東九フェリー・JRバス関東・都営バスで継走する!(22枚)画像ギャラリー1日で行く?2日かけて行く?
九州側のフェリーターミナルは北九州市の新門司港だ。そして東京側は東京港と、最近開設された横須賀港からの便がある。新規航路は何かと話題でニュースになったので記憶に新しい方も多いのではないだろうか。横須賀発着は東京九州フェリーで、夜発翌日夜着で直行というダイヤだ。
そしてもう一つの昔からある航路は、東京港を夜出港して翌日に徳島港を経由し、新門司港には翌々日の早朝(逆向きも同じパターン)に到着するオーシャントランスが運航するオーシャン東九フェリーだ。今回は新門司港からオーシャン東九フェリーの上り航路に乗船した。
同社の航路は暦上は2泊3日だが、実際に乗船している時間は35時間程度なので1.5日ということになろうか。乗船するためには新門司港に行かなければならないが、不便な場所で新門司を発着する船会社はたいてい小倉駅または門司駅から無料送迎バスを出している。公共交通機関はない。
新門司港までの送迎
オーシャン東九フェリーの送迎は門司駅からのみなので、まずは門司駅に出向く。小倉・砂津から門司港方面の西鉄バス北九州の便が多く出ているのでこれを利用する。小倉駅からならばJR鹿児島本線の方が早いがそこはバスマガジン記者なので砂津から。
砂津では夕方の時刻なので到着も発車も多く、向かい側の砂津バスセンターへは小倉営業所から多くのバスが出庫していく。小倉営業所には取材日現在はコロナのために運休している大分線「ゆのくに号」専用車(予備車)になっている北九州に1台しかない西工E型の社番5982の高速車が休んでいた。
JR門司駅からは他のフェリー会社のように専用のバスがあるわけではなく、集合時刻に改札口横に係員が旗を持って待っているので乗船の旨を伝えるというもの。しかも無料ではなく320円の有料送迎だ。
旗を見つけてその旨を伝え、運賃を現金で支払うと領収証なようなものをくれるので出発時刻まで駅のベンチで待つ。出発時刻になり「行きましょうか」と声がかかるが、待っていたのは記者ともう一人の計2名だけだった。そして送迎車両は普通の「タクシー」だった。