スタートは路上から!
場内から路上教習コースへは道も狭く一方通行が多いので教習指導員の千葉さんが運転し、指定場所で運転を交代する。免許取得のための路上教習も同じ場所からスタートするそうだ。
平和橋付近からスタートし、東新小岩付近を通り、奥戸付近で環七通りに入りスピードを上げ、今度は小岩駅方向に進み鋭角を曲がり奥戸方向に戻る。京成バス奥戸営業所の前を通過して京成立石駅付近の狭く路上駐車の多い駅前通りを通過して平和橋自動車教習所に戻った。
場内コースに戻るのはさほど難しくないのか記者が運転して教習所内に付けた。
世間話をする余裕はあるものの…
VR動画をご覧いただければお分かりと思うが、結構世間話をしながらしゃべっている余裕があるように見えるだろう。確かに運転そのものは普通自動車では運転しているのでペーパーではないが、大型車となると勝手が異なる。
しかもワンマンバスの運転士は運転に加えて前後の扉開閉操作、運賃箱の操作、放送設備の操作、自分での放送、車内監視とやることが多すぎて、記者のしゃべっている余裕どころの騒ぎではないはずだ。
それを一層感じさせてくれたのは、やはり都心部で普段乗客として乗っているバス路線をバスで自分が運転していることのすごさからだろう。
記者の運転総評は?
さて記者の運転についての千葉さんの総評は「いや良かったですよ。ただし全体的に左に寄りすぎで、もう少し中央線よりでもいいと思いました。しかし大型車の場合は運転のうまいヘタというよりも、車両の挙動をイメージできるかによるところが大きいので、それができなければ少しのズレが最終的に修正不能なまでに広がってしまい立往生です」
「古川さんはペーパードライバーかもしれませんが、お仕事柄バスをよく見ているはずですのでバスの動き方が自然とイメージできているのでしょう。それはさすがだなと思いました」と、取材のため多少の下駄をはかせてくれたのかもしれないが、大型車の運転には自信がついた。
一方、乗客役で終始立席で写真を撮影してくれていた岡本さんは、「いや~、私も全然普通に乗ってましたよ。コケることも、つまずくこともなかったですし普通にバスに乗っている感じでした」と、ノンステップバスよりも確実に乗り心地が良いツーステップバスだからということもあろうが概ね好評だった。
実際に東京都内の複雑かつ混雑した道路を路線バスと一緒に走る経験などそうできるものではない。その点でマニア目線ではもちろんだが、それ以上の経験と収穫があったように思える。それは何でもない路駐車両や2車線だが緩やかな何でもないカーブがバスにとっては難所であることがよくわかったからだ。
よって自転車や普通自動車を運転する際にバスの挙動をイメージして、こちらが少し気を使うだけでバスは非常に走りやすくなることが改めて理解できたような気がした。
教習所が区民の足を確保?
平和橋自動車教習所は他の教習所と同様に最寄りの駅までの送迎バスを多数運行している。記者も新小岩駅からの送迎バスに乗車したのだが、教習所の送迎バス乗り場の案内看板が妙にバス停っぽい。聞いてみると、いくつかあるコースのうち京成立石駅コースは地元の高齢者に開放しているのだという。
教習所近くの高齢者に京成立石駅に行く送迎バスを、葛飾区との共働で開放することにより、高齢者の足を確保することにしたという。常に座席が埋まるわけではないので開放することにした京成立石駅への送迎バスの運賃は無料。高齢者の証明のためだけにシルバーパスを見せるだけで乗車できる。
そもそも有償運送ではないために、あくまでもシルバーパスは年齢の証明のためだけに提示を求めるだけでだ。同所では地元への社会貢献の位置付けて送迎バス乗り場の看板をバス停のようにしたのだろう。ダイヤも決まっていて時刻表が掲示してあるので本当に路線バスが来そうで面白い。