日本最長バス路線!! その距離1000km超の大冒険 伝説の存在「はかた号」に乗ってみた

隣には同時刻発の博多行きが!

 はかた号ののりばに着いてもまだ時間が早くバスは入線していなかったが、となりを見ると、同時刻発の福岡行きの天領バスがすでに乗車扱いを行っていた。こちらはツアーバスの流れをくむ夜行高速バスで、はかた号とは違い新山口駅・小倉駅新幹線口に停車し博多に向かう。

先着の天領バスの横から西鉄が登場
先着の天領バスの横から西鉄が登場

 JR系のバス事業者が運行するプレミアムドリーム号を西鉄が、青春エコドリーム号を天領バスが運行しているようなものと例えたらいいだろうか。

 発車の10分くらい前にようやく西鉄のいわゆる「白夜行ゴールドロゴ」塗色のエアロクイーンが登場した。車両は運行開始当初から一貫して三菱ふそう製だが、車体は西工SDII、SDI、純正エアロクイーン、エアロキングと変遷し、現在では純正のスーパーハイデッカー、エアロクイーンが使用されている。

 最近ではスーパーハイデッカーを採用する高速バスは減っているので、実際に乗ってみるとアイポイントの高さはダブルデッカーほどではないにしろ、実感することができる。

個室を設置

 座席は前方に4室の個室(プレミアムシート)を設置し、それより後ろは3列独立シート(ビジネスシート)の2クラス制だ。今回は1番A席の個室をゲットした。

 運賃はダイナミックプライシング制で19000円だった。お隣の天領バスは、はかた号よりもわずかに先に出発したが、はかた号の乗車は6名で21時に定刻で新宿を出発した。

個室の座席
個室の座席

 東京側の乗車地はバスタ新宿だけなので、次の降車停留所は「小倉駅前」だ。首都高速に入り運転士の挨拶と案内が入る。約2時間走行後の静岡SAで1度目の降車休憩がある旨が案内される。

 特に渋滞もなく東名高速道路に入りウトウトしていると静岡SA到着の案内が入る。停車時間は約15分。天領バスはすでに降車休憩をしていた。

次に降車できるのは山口県!

 静岡SAを出ると次の休憩は山口県の佐波川SAなので、約750kmは外に出ることはできない。よって静岡での停車時間の短さから必要な糧食は基本的には新宿で購入するべきだが、当地では不足分を買い足す程度だろう。また喫煙者は明朝まで喫煙できないのでSA内の喫煙所で吸いだめをしておく必要がある。

 静岡SAを出ると消灯されるが、個室は電灯をつけていても構わない。途中2時間または200kmおきに乗務員交代と車両点検のために停車するが乗客は降車できない。快適な車内で爆睡してしまったため、静岡SA以降で覚えているのは、広島県の福山SAのみで伊勢湾岸道も新名神もまったく記憶にない。

 そして午前8時過ぎに佐波川SA到着のおはよう放送が入り、2回目の15分程度の休憩。そこには先着の天領バスの姿があり、新山口駅に寄るのでここまで並走してきたがお別れだ。はかた号が先に発車して山陽道から山口JCTを介して中国道に入る。

九州上陸!

 壇之浦PAを通過すると関門橋を渡り九州に上陸する。門司ICから北九州都市高速道路に入り冨野ランプで降り、小倉駅前を目指す。小倉駅前高速バス降車停留所で2名の降車扱いをすると、次の停車は砂津だ。

 西鉄バス北九州の本社と小倉営業所がある砂津では降車はなく通過。足立ランプから再度、北九州高速に入り黒崎ランプまで走る。

 黒崎ランプを出ると、黒崎インター引野口に停車。ここは北九州市西部の高速バスの要衝で、1つの停留所で全方向の高速バスに対応できる便利なバス停だ。それゆえに高速バスがたまりやすく、よく渋滞する。

 前を走る天神行きの「いとうづ号」が、引野口へ入線するはかた号に道を譲るために一般路線バスの停留所に入り待避。はかた号は先に引野口につけて1名の降車扱い後にすぐに発車、再度北九州高速に入る。 そのまま北九州高速を走り続けると、やがて八幡ICを介して九州道に入る。

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