行き返りでルートが違う!? 都営「秋26」系統のなぞに迫る


 都営バスの秋26系統は葛西駅前と秋葉原駅前を結ぶ路線であるが、一部区間は西行きと東行きとで経路が異なる。多くのバスは往路/復路で同じルートをたどるのが一般的であるためかなり珍しいのだ。

 そこで今回の都バス秋26系統において経路の異なる部分に注目!
特に中央区のバス停を横断的に散策してみた。

文/写真:小野寺利右
編集:古川智規(バスマガジン編集部)

【画像ギャラリー】都営バス「秋26」の経路が異なる区間にある小伝馬町と馬喰町(8枚)画像ギャラリー

浜町中の橋からスタート!

 秋26系統の経路が変わる一方通行区間は、葛西駅前方面からは清洲橋を渡り浜町中の橋交差点にある停留所からスタートする。秋葉原駅前方面は交差点を左折して、新大橋通りに入り「浜町中の橋」停留所に停車する。葛西駅前方面バス停は交差点の手前にある。

浜町中の橋バス停

 清洲橋通りの歴史を紐解くと、かつては対面通行だったようだ。スタート地点のこの近くには、浜町公園や歌舞伎や演劇で有名な明治座があり、2023年には創設150周年を迎える。最寄りは都営新宿線の浜町駅だが、バス停は葛西駅前方面の久松町停留所と中央区のコミュニティバスである江戸バスも停車する。

 浜町中の橋を出て次の停留所は水天宮前。新大橋通りに出たバスは水天宮前交差点を右折し、一方通行に入ったところに停車する。この辺りは水天宮の他にも親子丼で有名な玉ひでや交差点角の重盛の人形焼がある。

 水天宮は福岡県久留米市にある水天宮を江戸時代に久留米藩上屋敷に藩主の希望で分祀したのが始まりだ。藩邸の変遷とともに水天宮も移り、現在地は久留米藩中屋敷のあった場所である。安産や子宝祈願で有名なのはご承知の通り。

小伝馬町

 次の停留所は人形町交差点過ぎてすぐの人形町三丁目。そこから数百メートルで次の堀留町停留所。この区間は商店街やビジネス街でもあり停留所間が短い。次は江戸通りとの交差点で小伝馬町に停まる。

小伝馬町バス停

 小伝馬町と言えば明治初期まで使用された伝馬町牢屋敷だ。今は公園と小学校、コミュニティ施設、細い通りを挟んで大安楽寺となっている一帯が牢屋敷の跡だ。

 江戸時代の刑罰には今でいう懲役はなかったので、牢屋敷は未決拘留者や死刑囚が収容される現在の拘置所だった。よって当地でも明治初期まで死刑は執行されている。

 ちなみに江戸時の刑罰は死罪(死刑)、と自由刑としては遠島(追放・所払い・島流しを含む)しなかなかった。死罪にもランクや付加刑があり死ぬだけでは済まない例もあった。

 時代劇で見る「市中引き廻しの上打ち首獄門」とは打ち首が死刑の本刑で、執行前にさらし者にするのが引き廻し、さらに執行後にさらし首にするのが獄門という付加刑だ。

 武士の場合は切腹という名誉ある死刑が選択される場合がああった。江戸時代には事実上は打ち首だが、自身で始末を付ける切腹を自分で選択する建前になっていた。

 よって偉い人が悪代官や郡代に対して介錯人を付けず作法もなく「この場で潔く腹を切れ!」と「切腹を命ずる」ことはなく、しかるべき手続きの上で「切腹を許す」という決定がほとんどだった。

 ここでバスを下車して散策してみた。水天宮通りから大安楽寺の路地を入ると、十思(じゅっし)公園が見えてくる。名称の由来は中国北宋時代の歴史書と当時の行政区画十四にちなむようだ。公園内は刑場跡で吉田松陰最後の地とされた碑が設置されている。

伝馬町刑場跡

 その隣は十思スクエアがあり、施設の一階に牢屋敷の展示館がある。歴史的事実や平面図をもとにした模型が置かれている。二階にはなんと銭湯の「十思湯」がある。普通の公衆浴場だが立派なものだ。

 向かいは大安楽寺で、物々しく牢屋敷跡と書かれた石碑がある。中央区には銭湯は8か所あり、十思湯はその一つだ。

十思湯は銭湯料金で入浴できる

 さて次の停留所は千代田区なので、小伝馬町に対応する葛西駅前方向のバス停はどこかと地図を見るとおそらく「馬喰町」停留所だろう。秋26系統の秋葉原駅前方向のバス路線からは外れ、江戸通りを歩いて馬喰町に向けて歩く。

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