2023年3月にJRのダイヤ改正がある。新しい列車が走り出したり新規路線の開業や乗り入れがあったり、または消えていく列車や廃線などもある。そんな中でバスとがっつり競合する路線を乗り比べてみたのでレポートする。
文/写真:東出真
編集:古川智規(バスマガジン編集部)
■一般的な本命はJR東海キハ85系?
2月に入った週末、旅の出発場所はJR名古屋駅である。筆者もこれまでも何度となくお世話になっている巨大ターミナルだ。今回はここから飛騨路を目指すことにした。飛騨路への移動といえばJRの特急「ひだ」が定番だろう。つまり本命の二重丸だ。
この高山本線を走る特急として30年以上にわたりキハ85系が「ワイドビューひだ」として走り続けてきたが、昨年からは新型車両であるHC85系が投入され、少しずつ置き換えが始まっている。
そしてこの3月のダイヤ改正からは全ての「ひだ」が新型車両となると発表された。ということで残り少ない期間を走行するキハ85系の「ひだ5号」に乗車した。
名古屋駅を出た「ひだ5号」飛騨古川行きは、まず東海道線は岐阜駅を目指す。岐阜では大阪から来た「ひだ25号」と併結し、ここから高山本線に入る。
週末ということもあり、増結が行われており「増号車(ましごうしゃ)」を含む堂々10両の編成である。ここからは山間部へと走行し車窓には一面の冬景色が乗客を出迎えてくれた。
名古屋を出て2時間45分後の12時24分に高山駅に到着した。ここでほとんどの乗客は下車していく。筆者は終点の飛騨古川駅を目指す。車両の切り離しを行い、再び6両編成となった「ひだ」は白銀の世界を走行し、無事に飛騨古川駅に到着した。
雪景色とはいえ、空は晴れていて風もなかったので車内を含め駅や沿線には「ひだ」をカメラに収めようと多くの撮り鉄さんたちがが集まっていた。筆者も乗車の記念に飛騨路を走り抜けたキハ85系を撮影した。
■対抗は高速バス!
列車で高山駅に戻り、ここからは高速バスで名古屋駅へ戻る。高山駅の隣にあるのが濃飛バスの高山濃飛バスセンターだ。
当地からはこれから乗車する名古屋行きのほかにも関東や関西、または白川郷や新穂高温泉という県内の観光地も結んでいる。時間はお昼を過ぎた辺りで、これから温泉や冬山を楽しむ観光客で多くの人が行き来している。
筆者はここから高山と名古屋を結ぶ高速バスに乗車した。運賃が安いことは容易に察しが付くが、こちらは鉄道に対抗できる交通機関という意味では丸印だろうか。昼下がりのこの時間だと名古屋には夕方には到着できるということで、乗車率はかなり高いように思えた。
よって案内表示には、もし名古屋行きが満席となった場合は岐阜行きを案内し、岐阜から鉄道で名古屋に向かうような経路を勧めているようだ。普通は増車や増便を行うところなのだろうが、名古屋に近い岐阜行きがあるがゆえの案内なのか。
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