それなりの頻度で車両が更新されていく路線バスと言えど、旧年式のクルマに出くわすチャンスはまだまだ各地に残されている。そんな中から、製造後25年以上も現役を貫き通している路線車を3台ピックアップしてみた。
文・写真:中山修一
■(1)一畑バス 島根22 き1918
はじめに紹介するのは、島根県の一畑バスが保有する中型路線車・いすゞジャーニーKだ。1997年式と、2023年から遡ると25〜6年が経過している。
一畑バスでの登録番号は8319号車。中古で導入したものではなく、当初から一畑バスで使われている生え抜きの車両でもある。
角目4灯ヘッドライトと昇降式のアルミサッシ窓が並ぶ、ちょっと昔のバス然としたスタイル。旧いながらも低床(ワンステップ)仕様なのは、新車だった当時としてはまだ珍しかったかもしれない。
LEDの行先表示器が付いているが、元々巻き上げ式の方向幕だったものを、後になってLED式に交換したと思われる。
8319号車は2021年12月、一畑バス須佐線に充当されていた。須佐線は上塩治車庫〜JR出雲市駅〜立久恵峡〜出雲須佐間約17kmを結ぶ路線で、通しで利用した場合の所要時間は55分、運賃750円だ。
■(2)伊予鉄南予バス 愛媛22 か1913
続いては愛媛県の伊予鉄南予バスの日野レインボーRJだ。こちらはなんと1991年式! 30年以上もフツーに走り続けている、なかなか頼もしいクラシック中型路線車である。
元々は伊予鉄バスが導入した5台の日野レインボーRJのうちの1台と言われている。2014年頃に伊予鉄南予バスへ転属後、現在は長浜営業所に所属している。
年式的にもちろんツーステップ仕様。前輪の前と後輪の後ろ側にそれぞれ出入口が取り付けられた生粋の「後ドア車」であり、かつて主流だった柿の種型のテールランプも装備している。
車内に花柄のビニールシートカバーと網棚があるのも特徴で、昔の伊予鉄系のバスではよく見られる組み合わせだったようだ。
2022年1月に、この1991年式日野レインボーRJを利用した。八幡浜港〜大洲駅前〜長浜駅前間の約35kmを結ぶ路線で、旧年式だからと言って短距離専任というわけではないようだ。通しでの運賃は960円。
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