「日本最長」の路線バスはやはり凄すぎた!!  乗るには心構えと準備が必要ってマジ?

「日本最長」の路線バスはやはり凄すぎた!!  乗るには心構えと準備が必要ってマジ?

 「1」と付くものには人気が集まる。バスの場合も日本一の称号輝く有名な路線があり、“乗ってみた”系の恰好の題材としてもよく選ばれる。そんな日本一のバスであるが、まず乗って楽しむために、どんなセッティングをしておけば失敗せずに済むだろうか?

文:写真:中山修一
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■そもそも日本一のバスって?

奈良交通 特急301・302系統 八木新宮線
奈良交通 特急301・302系統 八木新宮線

 ここで取り上げるのは、高速道路を通らない一般路線バスの中で、単独の路線としての走行距離が最も長い、という意味での日本一のバスになる。

 奈良交通が運行する特急301・302系統「八木新宮線」がそれで、全長169.8㎞の行程を毎日走る、一般路線バスとしては極・長距離路線だ。

 様々な情報発信メディアでスポットを浴びる機会が極めて多く、全国的にも一二を争う勢いで名の知れた路線バスと言える。

■それって、どこを走ってるの?

 長さ日本一、有名!! というところまでは通説的だ。ではこのバス、具体的にどこを走っているのか……奈良交通のバスだから奈良県が関係するとして、奈良県内だけを走るのだろうか?

 八木新宮線は全国で珍しい部類に入る、県境を越える路線バスの一面を持つ。片側の端はもちろん奈良県だが、反対側の端は和歌山県だ。

 奈良県側は「大和八木(やまとやぎ)」停留所が始発/終着ポイントになる。大和八木は、地図で見て京都から真下に向かって、直線距離で53kmほど先にある内陸の街だ。

近鉄大和八木駅前のロータリーから八木新宮線が発着している
近鉄大和八木駅前のロータリーから八木新宮線が発着している

 和歌山県側の始発/終着ポイントは「新宮駅」停留所。新宮は紀伊半島の右下に位置する、和歌山県と三重県の県境にほど近い街で、太平洋に面している。

 特急301・302系統「八木新宮線」は、大和八木〜新宮ふたつの街を、ちょうど紀伊半島の真ん中を縦に突っ切るような経路で結んでいる。

■乗りバスするのに何日必要なのか?

 八木新宮線の場合、大和八木→新宮方面を「ゆき」、新宮→大和八木方面を「かえり」と表現する。沿線住民でない限り、大和八木/新宮のどちらかを出発点にするのが最も簡単だ。

 便数は「ゆき」が大和八木9:15、11:38、13:38発の1日3便、「かえり」が新宮駅5:53、7:46、9:59(土日祝10:18)発の1日3便となっている。

 走行距離が長いため、所要時間もそれなりに膨大。進む方向と利用する便にもよるが、通しで6時間30〜6時間55分くらいかかり、乗れば408%巨大スケールなバス旅が始まる。

 例えば東京駅発で大和八木を始点にする場合、初電でも9:15発の第1便は間に合わないので、第2便か第3便を狙うことになる。新幹線のぞみ利用なら朝7時半くらいに出れば第2便がつかまる。

 東京駅発で新宮駅を始点に選ぶと、初電で向かっても到着が11時を回るため、自動的に前日入りが決まる。

 大阪駅発で大和八木が始点だった場合、8時に出れば第1便に間に合う。新宮駅始点では、大阪発でも到着が11時台となり、こちらも前日入り必須だ。

 東京または大阪方面に帰る際の終電は、大和八木が20時台(東京)と23時台(大阪)、新宮が17時台(東京・大阪とも)だ。

 日帰りが可能なのは、大阪駅→大和八木始発の第1便を利用した時のみ。それ以外は最短で2日間の旅程になる。

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