オホーツクに“山手線”があるってマジ!? JR名寄本線と北紋バス興部線の謎!!

オホーツクに“山手線”があるってマジ!? JR名寄本線と北紋バス興部線の謎!!

 国鉄・JRの鉄道線から転換されたバス路線「代替バス」が、全国で現在も活躍中だ。鉄道時代からどう変わり、最近はどうなっているのか……代替バスの実像に迫る今回のテーマは、JR名寄本線の興部〜紋別間!!

文・写真:中山修一
(現地取材時の詳細写真ギャラリーを含む写真付き記事はバスマガジンWEBまたはベストカーWEBでご覧ください)

■山海揃った長大ローカル線

名寄本線で使用されていた9600形蒸気機関車69644
名寄本線で使用されていた9600形蒸気機関車69644

 その昔、北海道の名寄(なよろ)と遠軽(えんがる)を結んでいたJR名寄本線は、合計143kmもの線路を延ばした長大ローカル線の一つであった。

 赤字路線であることから国鉄の時代に廃止を前提にした整理が進み、JR化後は暫定運行期間として2年間だけ猶予が設けられ、1989年にバス転換された。

 地図上で見ると「コ」の字を描くように線路が敷かれており、内陸部からオホーツク海沿いを経て、再び内陸部へ戻っていく経路になっていた。

■海線を担う北紋バス

 JR名寄本線の廃止後は代替バスが運行を始め、2024年1月現在で35年目を迎える。現状で名寄〜遠軽の通し便はなく、3分割された区間をバス事業者3社がそれぞれ担当している。

 名寄本線代替バスの興部(おこっぺ)〜紋別(もんべつ)間が、ちょうど鉄道時代の海沿い区間に該当する。ここを走るのは、北紋バスが運行する「興部線」。

 名士バスが運行している名寄〜興部間も「興部線」で、区間と事業者は異なるものの路線名は同じだ。

興部で名士バスから北紋バスに乗り換え
興部で名士バスから北紋バスに乗り換え

■気になる乗り換え時間

 今回は、名寄を出発し紋別経由で遠軽まで向かう、旧・名寄本線の面影を代替バスでトレースしていく行程を例に進めていこう。名士バスで興部に着いた後、紋別行きの北紋バスに問題なく繋がるかが気になるところ。

 名士バス/北紋バスの興部線はともに「名寄本線代替バス」の肩書きを持っているということで、遅い時間を避ければ問題なさそうな気がする。実際どうなのか?

 興部〜紋別間の興部線は1日6本(本来は7本あるが1本運休中)ある。これに加え、別方向から来る北紋バスの「雄武(おうむ)線」5本が紋別まで行くため、1日あたり11回チャンスが得られる。

 名寄から来る名士バスの興部到着時刻と、紋別行きの発車時刻を照らし合わせたところ、乗り換え猶予が1分だったり30分だったり、長い時には3時間だったりと、時間帯によってバラバラであった。

 ちなみに、興部線に加えて紋別まで行く雄武線は、1985年7月に廃止となった、興部〜雄武間19.9kmを結んだ「興浜南線」の代替バスでもある。

次ページは : ■海線区間の鉄道遺構って?

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