■海線区間の鉄道遺構って?
旧・名寄本線沿線の各所では、今も鉄道時代の遺構や記念物などが見られる。興部〜紋別間に注目すると、まずは興部バス停の隣に置かれている国鉄のディーゼルカーだ。
興部にあるディーゼルカーは休憩所と簡易宿泊所(冬季は閉鎖)の役割を兼ねており、独自の塗装が施され「ルゴーサ・エクスプレス」の愛称が付けられている。
他にも、主なところで名寄から81.4km地点にあった富丘駅にアクセスするための覆い付き階段跡、88.9km地点の渚滑(しょこつ)駅跡に静態保存されている9600形蒸気機関車、鉄のレールを剥いだ直後から時間が止まったようなガーダー橋、などがある。
■短距離に見える不思議
北紋バス興部線の興部〜紋別間の距離は、名寄本線の紋別駅があったすぐ近くに作られた、紋別ターミナルまでで26.9km。
一般路線バスとしては十分長い部類に入る。しかし北海道の一般路線バスには50kmや80kmを超えるものが目立つせいか、これでも短距離に見えてくるのだから不思議だ。
代替バスとしての区間は興部〜紋別ターミナルと言えるが、バスはそこから2.8km先の紋別高校まで行くようになっている。全区間の距離は29.7kmになる。
■バスに乗ってみると……?
訪問当日は、興部16:35着の名士バスで向かい、45分の乗り換え時間を経て、17:20発の紋別行き興部線を利用した。現地には何度か赴いているが、路線バスを利用しての移動は初めてだ。
11月下旬の17時台となれば既に周囲は真っ暗。車窓からの景色を楽しむには厳しいものがあった。名寄本線代替バスの中で最も海沿いを走る区間ということで、時間設定を誤ったと少々後悔した。次はいつ来られるだろうか……
■こんなところに“山手線”
興部〜紋別ターミナルまでの所要時間は41分、運賃は730円だった。前述した興浜南線の代替バスを利用した場合、経路が異なるが運賃は同じ。
興部線に乗車する直前、2017年式のいすゞエルガが充当されていた、バス車両の行先表示器に目をやると「山手線経由」の表示があり、二度見してしまった。
都心部を一周している例の電車を連想させて仕方なかったが、あの電車とは無関係。こちらの「山手線」は紋別市内を通る市道の名前とのこと。
興浜南線の代替バス(雄武線)の経路と区別をつけるため、誤乗防止を兼ねて、興部線の行先表示には「山の上 山手線経由」と併記しているようだ。
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