国内でも海外でも、旅へ出るにはおカネが重要。ではテレビ番組でもよくテーマに選ばれる、路線バスを移動手段の中心に据えると、電車やレンタカーよりも遥かに安上がり……なんて結果が出ちゃったりするだろうか?
文・写真:中山修一
(写真付き記事はバスマガジンWEBまたはベストカーWEBでご覧ください)
■過去記事のロケコースを例にプライスチェックだ!!
2023年12月期の「バスマガジンWeb」上にて、北海道を走る路線バスの、乗りバスの話題を執筆するにあたって現地取材に出かけた。
あらかじめ計画しておいたのは、自宅→苫小牧までのアプローチ部分(常磐線経由〜仙台発カーフェリー)のみ。そこから先は帰りの手段を含め、現地で天候と相談しながらテキトーに決めた。そんな勝手さも一人旅の醍醐味だ。
その結果、路線バスでの移動を主体にしつつ、19本の公共交通機関を乗り継いで約1,000kmの距離を7泊8日で辿る、というルートが最終的にできた。
出発/到着場所と主な経由地は……
苫小牧西港→苫小牧→静内→様似→広尾→帯広→然別湖→新得→富良野→旭川→名寄→紋別→遠軽→網走→釧路→釧路空港
……の順だ。
利用した公共交通機関の内訳は、路線バス13本、JR線の鉄道が5本、JR線代行バス1本だった。
このルートを例に、道内での交通費の総額を計算してみると、路線バス代が16,290円、JR線の乗車券代が10,200円。合わせて26,490円かかったことになる。
■なるべくバスを避けるといくら?
これを踏まえて、今度は逆にJR線の電車・ディーゼル客レ等々が使えるなら、鉄道を積極的に利用するようにして、同等のルートを通った場合のプライスを確かめてみよう。人数は1名限定。このさい鉄道で行ける場所での「バスの便利使い」もNGにしてしまおう。
バスの乗り継ぎ目的で訪問した場所は経由しなくても良いことにして、実際の宿泊地に選んだ、静内、広尾、然別湖、富良野、紋別、網走、釧路を必ず通る設定。青春18きっぷ等のフリーパス系は使えない時期とする。
JRの片道乗車券は、距離が延びれば延びるほど割安になっていく仕組みだ。逆戻りしないのと、途中で同じ駅を2回通らなければ、1枚の通し切符(一筆書き切符ともいう)が作れる。
そのルールを活用しつつ経路を作ってみると……
苫小牧西港→苫小牧→静内→様似→広尾→帯広→然別湖→帯広→富良野→旭川→遠軽→紋別→遠軽→網走→釧路→釧路空港
……あたりのルートが無難な候補に挙がる。
この場合、帯広から釧路まで1枚の片道乗車券にできる。距離587.1km・有効期間は4日なので、日数的にも途中下車しながら最後まで行ける。金額は10,560円。なお2024年4月以降は途中の一部区間が廃止されるため、同じ切符は作れなくなる。
帯広〜釧路の乗車券代に加え、苫小牧〜鵡川間と、一部区間で利用可能な特急券代を合わせると小計14,300円。バス代が11,980円なので、合計26,280円かかることになる。
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