国鉄・JRの鉄道線から転換されたバス路線「代替バス」が、全国で現在も活躍中だ。鉄道時代からどう変わり、最近はどうなっているのか……代替バスの実像に迫る今回のテーマはJR名寄本線の紋別〜遠軽間!!
文・写真:中山修一
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■特に大きな経由地
北海道の名寄〜遠軽をオホーツク海側回りで結んだJR名寄本線。赤字を理由に1989年5月に廃止となり、廃止後は代替バスが走るようになった。
名寄本線時代の特に大きな経由地だったのが海沿いの街・紋別だ。現在は人口20,347人(R5.11時点)を擁し、ホタテ貝や流氷ウォッチング、巨大なカニの爪オブジェなどが楽しめる。
鉄道時代も紋別発/着の列車が何本かあり、鉄路の中継地点的な役割を担っていたが、バスになった現在も「紋別ターミナル」が公共交通機関の一大拠点となっている。
■2つの名を持つ代替バス
名寄本線の代替バスは、名寄〜興部、興部〜紋別、紋別〜遠軽と、3つの区間(路線)に分割して、バス事業者3社が各担当区間をカバーしている。
この中で紋別〜遠軽間54.5kmを担当するのが、北紋バスと北海道北見バスの2社。1枚の時刻表に両社のバスを合わせて掲載する共同運行のスタイルだ。
ただし、北紋バスは「遠軽線」、北海道北見バスは「湧別・紋別線」と、同じ名寄本線代替バスながら、それぞれ独自の路線名が付けられている。
■紋別→遠軽をバスで移動!!
紋別〜遠軽間は1日上下9本ずつバスが出ている。昼間だけ3時間以上の開きがあり、利用の少ない時間帯はオールカットする、ローカル路線バスによくある様相。
とはいえ朝と夜だけ極端にダイヤが偏っているわけでもなく、足を靴のサイズに合わせるような苦行を強いられるレベルには達しないので、それなりの気軽さを持って使える。
訪問当日は興部方面からの名寄本線代替バスで紋別にアプローチ。そのまま遠軽行きに乗り換えもできたが、周囲が既に暗く景色が見えないということで、紋別に1泊して翌日バス旅を再開した。
紋別ターミナルの1番乗り場を11:00に出発する、北海道北見バス担当の「4便」を利用することにした。
バスが出発して紋別市街地を抜けると国道239号線に入り、しばらくの間ほぼ道なりに進んでいく。途中、オホーツク紋別空港の前を通るが、4便は空港ターミナルに立ち寄らずそのまま直進する。
紋別から遠軽方面に向けて、やや内陸に国道が進路を変える関係で、オホーツク海からは遠ざかり、北海道らしい広々とした陸地の景色(もしくは防風林)が続くようになる。
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