日本全国を日夜くまなく走っている高速バス。決まった所に行くことが多いので同じ路線に乗る機会が多くなる。しかし行った事のない所へバスに乗って行くというのもなかなかおもしろい。そこで乗ったことのない路線で旅する模様をレポートする。
文/写真:東出真
編集:古川智規(バスマガジン編集部)
(詳細写真は記事末尾の画像ギャラリーからご覧いただくか、写真付き記事はバスマガジンWEBまたはベストカーWEBでご覧ください)
■乗るのは日本中央バス!
旅の出発地は名古屋だ。これまでに何度も利用しているので、見慣れた光景である。週末の金曜日ということもあり、多くの人がバスの出発を待っているようだ。太閤口を出るとすぐ右側にJRハイウェイバス乗り場が、そしてその奥の広場が旧ツアーバス系の集合場所だ。
この日も多くの便が設定されているようで、係員の案内に従い移動が始まった。しかし今回乗車するバスは同じ太閤口を出るのだが、ここから乗車するわけではない。駅前のスクランブル交差点を渡り少し南に歩くと、バス停と1台のバスが見えた。これが今回乗車する日本中央バスのシルクライナーである。
日本中央バスは群馬県を中心に路線バス、貸切・高速バスを展開するバス会社で、県外へはシルクライナーのほか都内、東京駅や羽田空港へ向かう路線が運行されている。以前は仙台や金沢へ向かう路線もあったが現在は運休となっている。
■大阪発で京都・奈良・名古屋経由!
そして今回乗車するシルクライナーは大阪・京都・奈良・名古屋を経由し群馬を結ぶ夜行バスだ。3月からはUSJへの乗り入れも始まり大阪に着いて電車に乗り継ぐ手間もなくなった。
停車地や経由地の違う4往復が設定されており、USJには最大で約12時間滞在することが可能だ。また大阪へは朝7時50分~9時と到着時間も幅があるので、自分の予定に沿って選ぶことも可能だ。
■シートもブランケットも赤い!
既にバスは到着していたので、乗務員が乗車の手続きを行い、荷物を預けて乗車した。このバスは予約時に座席を指定することができないので、乗車時に初めて座席番号を知ることになる。今回は3番で運転席後ろの1列目であった。
名古屋までに関西の各所を回ってきているので、車内はほぼ満席になっている。座席はあまり見かけない赤いシートだ。確かに派手だが、ここを出発するともう1ヵ所、金山駅南口を経由して高速へ入れば消灯になるので、睡眠の妨げになるかといえば、その心配はなさそうだ。
また座席にはブランケットが備えられていた。少し前まではコロナの影響で提供中止が多かったが、各社で順次再開されているようだ。そしてこちらも赤色だ。
■予約者がノーショーだと!?
出発は23時30分だったが乗車予定の1人が来ていないらしく、乗務員が電話で確認を取っていた。やがて乗車の意思がないということが分かったようで、やや遅れての出発となった。次の金山駅南口で数人乗車があり、その後車内では降車地の到着予定時刻や車内の案内などがアナウンスされた。
そして名古屋高速道路の堀田インターチェンジから高速区間に入ると消灯だ。座席は1列目ということもあり、ゆっくりくつろぐことができるかどうか、やや不安があったが空調もよく効いていてすぐに入眠した。
コメント
コメントの使い方