沖縄本島の北西部に突き出る本部半島。その辺に行くだけで楽しめるキレイな海と、「美ら海水族館」や「今帰仁城跡」といった、観光の見どころが点在しているのが同地の魅力であり、その他にもこの半島には、橋で繋がっている島がいくつかある。
文・写真:中山修一
(YKB-4T系統とその周辺の写真付き記事はバスマガジンWebもしくはベストカーWebをご覧ください)
■やんばる急行バス「YKB-4T系統」
本部半島と深い関係にある各島に注目するとして、そのどこかへ行こうと思った際、橋で連絡できるとはいえ、さすがにレンタカーやマイカーが要るのかと思いきや、ちゃんと公共の足・路線バスがサポートしている。
その一つが、本部半島の今帰仁(なきじん)村を本拠地とする地元のバス事業者、やんばる急行バスが運行している一般路線バス「YKB-4T系統 四島線」だ。
四島線の名称は、瀬底島、本部半島、屋我地島、古宇利島の4つの(半)島を結ぶところから来ているようで、系統を示すYKB-4Tのほうも「Yanbaru Kyuukou Bus-4 Tou」と読めるあたりに遊び心を感じる。
バスが走る区間は、西側の瀬底島にある「ヒルトン沖縄瀬底リゾート」と、東側の古宇利島の「古宇利島の駅ソラハシ」の間およそ34.1km。全区間通し便は1日2本と、限界に迫る本数の少なさであるのは確かだ。
とはいえ、半島の右半分・東側の区間だけを結ぶ便が上り/下りそれぞれ4本ほど出ているのと、半島の東側〜那覇空港までの直通高速バス「YKB888系統」が半島内の各所に停まるので、YKB-4T系統と同じ要領で乗れる。
さらに一部経路の重なる、沖縄バス/琉球バスの半島1周路線「65・66番」とも組み合わせれば、事前にある程度狙っておく必要こそあれど、現地観光の足代わりに十分使える。
■古宇利島に路線バスで行ってみる
2024年の11月に現地のほうまで足を延ばしたついでに、ちょっとこのYKB-4T系統を使って、半島の西側から古宇利島まで行ってみようと考えた。
バスの始発になっている「ヒルトン沖縄瀬底リゾート」から乗ろうかと画策するも、予算オーバーというか逆ザヤも甚だしいというか、ちっとも身の丈に合っていないのは確かゆえに、隣の停留所から利用することにした。
西側は本数が特に少ないので、出発時刻だけは注意しておきたい。朝9:40に「本部博物館前」停留所にやってくる便を狙った。
■今や希少なあのクルマが登場!!
少々遅れて、遠くの方に白い車体の路線車が見えてきた。2000年代の前半くらいに製造された中型路線車の日野レインボーのようであるが、通常の車両に比べると随分ボディが短い。
顔は角目4灯ライトの箱型路線バス車両であるが、全体的にはチョロQみたいな、ずんぐりむっくりした愛らしいスタイル。その正体は車体長7mの日野レインボーHRだった!!
このクラスのバス車両も、最近は丸みを帯びた車体にかわいらしい丸目の付いた「日野ポンチョ」が取って変わり、普通の箱型路線バスを短くしたタイプ、ひと世代前の「小型バス」に相当する車もだいぶ珍しくなってきている。
後で確認してみたところ、元々は千葉県四街道市の千葉内陸バスで使われていた車両とのことで、2020年代に入ってやんばる急行バスに移ってきた模様。2003年式らしい。
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