年度変わりは道路の開通に関するイベントが多い時期だ。新しい道路の開通となると物流の活発化や観光としてのルート開発、また最近では緊急自動車の経路確保という点でも効果が期待されている。三重県の北勢バイパス開通イベントが開催されたのでレポートする。
文/写真:東出真
編集:古川智規(バスマガジン編集部)
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■三重交通生桑車庫
筆者が訪れたのは三重県四日市市にある三重交通生桑(いくわ)車庫である。近鉄四日市駅から車で10分弱の三重交通が所有する車庫である。路線バスや高速バスなどが多数在籍しており、敷地内には研修所もある。また敷地入口近くには待合室とバス停も設置されており、バスも発着している。
駐車場があるので車を停めてバスを利用することも可能だ。バス停を見てみると、東京・大宮へ向かう夜行バス「高速鳥羽東京大宮線」、京都へ向かう「三重京都高速線」が運行している。以前はこの他に「四日市中部国際空港線」という、中部国際空港(セントレア)まで行く便もあったが令和6年4月1日より運休となっている。
係員に誘導されると今回のイベントに向かう人のための駐車場が設けられていた。高速バス利用者の駐車場を空けておく必要があるのだろう。車を停めて歩いていくと既にシャトルバスが待機していた。まだ空席はあるようなので乗車するとバスは出発した。車窓から車庫全体を見渡してみると思っていたよりも広さを感じた。車庫の建物の向こうには研修施設のようなものがあった。
シャトルバスの名の通り、さほど距離がある区間を送迎するわけではないが、三重交通は貸切車を充当していた。短距離でもハイデッカー車がやってくる可能性があるという点も、バスファンにとっては期待と楽しみの一つだ。
■北勢バイパス
バスに乗車すること15分ほどでイベント会場に到着し、「北勢バイパス開通記念イベント「未来につづく北勢バイパス」」というイベントに参加した。北勢バイパスは三重県三重郡川越町南福崎(国道23号)から四日市市釆女町(国道1号)に至る延長21.0kmの幹線道路で、四日市市を中心とする北勢地域のバイパスとして、国道1号・23号等の渋滞緩和、災害に強い道路機能の確保及び地域活性化の支援を目的に計画された道路である。
そして四日市市道日永八郷線から国道477号バイパスまでの4.1kmが2025年3月16日に開通したことにより供用区間は12.6kmになった。その開通前のイベントなのだが、バイパス道路上に駐車場があるわけではないので、各所にイベント用駐車場を確保し、シャトルバスで向かうということになっていた。その拠点に三重交通生桑車庫が指定されていたので利用したというわけだ。
■歩いては二度と通れない!? 坂部トンネル
会場に着いたのは9時すぎであったが既に多くの来場者がいて、イベント会場へ向かう人や同時に開催されていたウォーキングイベントに向かう人などとても賑わっていた。道路上に並んだキッチンカーを見ながら進んでいくとトンネルが見えてきた。今回の開通区間で大きなポイントとなっている坂部トンネルである。
北勢バイパスは自動車専用道路として供用するので、歩行者が歩くことはおろか、自転車や原動機付自転車でも走ることができなくなるので「徒歩」は二度とできないだろう貴重な体験である。記念写真のスポットを過ぎるとトンネルへと入っていく。
LEDライトであるので白い光に照らされていて思ったよりも明るく感じる。そして外の気温とは違うので内部に入っていくと涼しいというか寒さを感じるほどだ。
またトンネル内では北勢国道事務所によるパネル展示や建設風景の動画上映や、スーパーカーの展示やはたらく車の展示などが行われていて記念撮影をする姿が多くみられた。
また高所作業車に試乗するための列は長く伸びていた。トンネルの先まで歩いていったが出来上がったばかりで真新しいコンクリートの白や設備類がまだ養生テープなどで包まれたままなのを見るとまた出来たてホヤホヤという新鮮な印象を受ける。
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