■大動脈の隣を走るディープな路線バス
さて、現在運行している410系統は、廃止された510・511系統のダイヤを組み込みつつ再編し直した、既存路線のリフレッシュ版と言える存在。車両は一般的な2ドアの大型路線車が使われている。
近くを新幹線が、隣に物流の大動脈である道南いさりび鉄道線が通る、公共交通機関的に華のある区間を走るバスに思える。
ところがダイヤを確認すると、曜日共通で1日たったの3往復。510・511系統のあった時代は合わせて5往復程度だったので、元々それほど本数が多かったわけではないものの、再編によって線の細さが強調。華のあるレアキャラ……それが410系統の見せる一面である。
さらに、木古内駅での東京方面からの新幹線との接続が今ひとつ渋い(逆方向はそうでもない)ため、木古内→函館間をストレートに繋ぐ移動手段の中では幻の選択肢に映るかもしれない。
本数の少なさとタイミングを掴むのに工夫が不可欠な、攻略の難しい手段であるところが、いつもと違う刺激に満ちたマニアルートを欲する向きには強い魅力へと変わる。なにかとディープなバス像の持ち主である。
■価値の高い乗りごたえ
上記の性質から個性派路線バスの一種に数えられそうであるが、なんといっても車窓を流れる景色が最高の呼び物。410系統の経路の大半が国道228号線を通り、この国道は海岸線を沿うようにして敷かれている。
国道の1段奥には、道南いさりび鉄道線の線路がほぼ並行している。そのため鉄道線/バスともにキレイなオーシャンビューを望みながら函館に向かえる。
なかでもバスは、より海に寄り添った区間が含まれているということで、鉄道とはまた異なる海岸線へのダイナミックな接近感が加わり、これは410系統ならではの味わい。
全区間52.6kmを124分、木古内駅〜函館駅前の部分利用なら42.5kmを97分と、北海道のローカル路線バスらしい走行距離と所要時間もまた、旅行者にとっては物珍しい。
後ろ(中)乗り・前降りの後払い方式で、運賃は全区間が1,900円、木古内駅〜函館駅前は1,700円。全国交通系ICカードが使えて便利だ。
景色がきれいなことから観光目的にも使える函館バス410系統。一旦捕まえて乗ってみれば、価値の高い乗りごたえを満喫できる乗り物であると気付くはずだ。
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