1日3本だと!? 観光にも使える函館への足・函館バス「410系統」がディープすぎる!!

1日3本だと!? 観光にも使える函館への足・函館バス「410系統」がディープすぎる!!

 本州から新幹線で函館に向かう際、終点の新函館北斗駅のひとつ手前「木古内駅」で降りると、時間はかかるものの、北海道のスケール感を窺い知る予告編みたいな演出を挟んだ行き方ができるので紹介する。

文・写真:中山修一
(バスマガジンWeb/ベストカーWebギャラリー内に、函館バス410系統とその周辺交通の写真があります)

■昔ながらの旅路ならコレ

新幹線駅がある木古内。道南いさりび鉄道線の終点と貨物列車の通り道でもある
新幹線駅がある木古内。道南いさりび鉄道線の終点と貨物列車の通り道でもある

 2025年8月現在、木古内→函館に直通でアクセス可能な交通手段といえば、2016年にJRから第三セクター化した道南いさりび鉄道線が真っ先に挙げられる。

 新幹線で来たならば、北海道のローカル線らしさをお試しで体験できる最初の鉄道といった雰囲気を持った、1〜2両編成のディーゼルカーが1〜2時間おきに走る、のどかな路線だ。

道南いさりび鉄道線は木古内〜五稜郭・函館間を直通する
道南いさりび鉄道線は木古内〜五稜郭・函館間を直通する

 元々は青函トンネルを抜けて本州から来た、特急列車などが通っていた同じ線路を走る。車窓に目をやれば、進行方向右側に津軽海峡が続き、北海道らしいスケール感が少しずつ出始める。

 そのため、鉄道を使って「あぁ北海道に来たな〜」と感じさせる、(青函連絡船より後の)昔ながらの北海道旅の前振り的な演出効果を偲ぶには、道南いさりび鉄道線は最高の選択肢になる。

■もうひとつの直通移動

 道南いさりび鉄道に乗り換えるほか、もう一つ函館まで直通で行ける交通手段が木古内に出入りしている。おなじみの路線バスだ。

バスを使っても木古内→函館間を移動可能
バスを使っても木古内→函館間を移動可能

 函館を中心に道南エリアの広い範囲をカバーしている、函館バスが運行する「410系統」がそれにあたる。

 この路線は古い時代から存在する同社の「函館、知内線」をルーツに持ち、近年になって410の系統番号が割り当てられたものだ。

2025年現在は410系統が木古内〜函館間を担当
2025年現在は410系統が木古内〜函館間を担当

 運行区間を見ると、410系統にとって木古内駅前は途中の停留所で、隣町の知内町にある8.5kmほど先の「知内出張所」が始発/終点になっている。

 函館駅前もまた同様で、函館側の始発/終点は駅から約2km離れた、函館バスの営業所と車庫を併設した「函館バスセンター」だ。

410系統の始発停留所になっている知内出張所
410系統の始発停留所になっている知内出張所

 そのため、410系統の全区間を記すと「知内出張所〜木古内駅前〜函館駅前〜函館バスセンター」の要領になる。

■長距離路線バスのあった時代

 木古内〜函館間を結ぶ函館バスの系統には、410系統のほか「510・511」と呼ばれる系統があり、どちらかといえば510・511系統が、同区間を走るバスとしてのアイコン的存在だった。

 510・511系統は、1988年2月のJR松前線廃止に伴い、鉄道代替バスの輸送力増強を兼ねて1989年9月に登場した快速バス「松前号」が当初の姿。

1989〜2024年まで運行していた快速「松前号」/510・511系統
1989〜2024年まで運行していた快速「松前号」/510・511系統

 こちらは函館〜木古内〜松前間およそ106kmの距離を1台のバスが完結して結ぶ、全区間の所要時間が3時間を越える、一般路線バスとしては長距離の部類に入る系統だった。

 長距離+快速の区分が付いているということで、ハイデッカータイプの大型高速車が使われていた。本数は平日3往復、土日祝2往復だった。

 しかしこの510・511系統、2024年10月1日に廃止されてしまった。函館バスのリリース情報によると、長距離・長時間を走るため、ドライバー不足が深刻化した「2024年問題」への対応に支障をきたしているとの理由で、利用低迷ではないところが何とも後ろ髪を引かれる。

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