おじゃまします! バス会社潜入レポート 奈良交通編【その4】

 奈良県内全域と京都府の一部に路線を展開する「奈良交通」の特徴や保有するバスについてお伝えしているバス潜入レポート、奈良交通編はいよいよ今回で最終回。

 ここ数年は長距離用や貸切用では、豪華仕様の車両を擁するのがトレンドとなっている。奈良交通でもその例に漏れず、ゆったり仕様車をラインナップ。一方では大量の旅客輸送用に60名定員もあるなど、総合事業者としてぬかりのない布陣だ。

 なおここでは連接車など、各用途における代表的な車両も写真で紹介する。

構成・執筆・写真/加藤佳一(B.J.エディターズ)
写真協力/(K)柏田芳敬、(H)編集部、(N)奈良交通株式会社
※2019年7月発売「バスマガジンVol.96」より

【画像ギャラリー】奈良交通が所有するバスをイッキ見! バス会社潜入レポート 奈良交通【高速車・貸切車】


■高速・貸切車はセレガとガーラ
パウダールームつきが近年人気

 奈良県内と首都圏を結ぶ夜行高速車は、中央トイレつき3列シートの日野セレガハイデッカー。名古屋線・空港連絡路線では、後部トイレまたはパウダールームつき4列シートの日野セレガ・いすゞガーラハイデッカーが活躍する。

 貸切車にもセレガ・ガーラを採用。90年代まではスーパーハイデッカー、00年からはハイデッカーが中心となっている。学生団体が多く60人乗りの比率が高いが、近年はパウダールームつき48人乗りを増備。募集型企画旅行「ビューティフルツアー」などに使用されている。

 19年には上級ツアー専用車として、34人乗りのセレガスーパーハイデッカーが採用された。なお、数台ではあるが9m尺のセレガ・ガーラも在籍している。

■連節バス

●スカニア 連節バス ■奈良230あ1001/平城営業所/一般路線

左側カラーリング 2017年3月、JR祝園(ほうその)駅・近鉄新祝園駅とけいはんな学研都市精華町・西木津地区を結ぶ路線にデビューした連節バス(N)
左側カラーリング 2017年3月、JR祝園(ほうその)駅・近鉄新祝園駅とけいはんな学研都市精華町・西木津地区を結ぶ路線にデビューした連節バス(N)
右側カラーリング スカニア+ボルグレンの2台が、平日の朝夕を中心に活躍している(N)
右側カラーリング スカニア+ボルグレンの2台が、平日の朝夕を中心に活躍している(N)
車内 イエローにブラックとシルバーのアクセントを配し、奈良交通のシンボルの鹿をあしらったデザイン(N)
車内 イエローにブラックとシルバーのアクセントを配し、奈良交通のシンボルの鹿をあしらったデザイン(N)
車内 担当の平城営業所には3柱リフトを装備する整備工場が新設されている(N)
車内 担当の平城営業所には3柱リフトを装備する整備工場が新設されている(N)

■一般路線バス

●いすゞ 2PG-LV290Q2 ■奈良200か1160/奈良営業所/一般路線

左側カラーリング 一般路線車はアイボリーとライトグリーンのツートンカラー。1993年から採用され、2015年から窓上に“NARA KOTSU”の文字が加わった(N)
左側カラーリング 一般路線車はアイボリーとライトグリーンのツートンカラー。1993年から採用され、2015年から窓上に“NARA KOTSU”の文字が加わった(N)
右側カラーリング 新型エルガは2015年から導入。長尺タイプは現在、AT仕様のQPG-車23台、2PG-車26台が奈良・平城・北大和・西大和に配置されている(N)
右側カラーリング 新型エルガは2015年から導入。長尺タイプは現在、AT仕様のQPG-車23台、2PG-車26台が奈良・平城・北大和・西大和に配置されている(N)
車内 北大和の17台は均一運賃仕様、その他は他区間運賃仕様であるが、側面表示器はすべて戸袋の前に設置。車内は1人掛けシート中心の都市型である(N)
車内 北大和の17台は均一運賃仕様、その他は他区間運賃仕様であるが、側面表示器はすべて戸袋の前に設置。車内は1人掛けシート中心の都市型である(N)

■奈良市内循環線

●日野 2SG-HL2ASBP ■奈良200か1107/奈良営業所/一般路線

カラーリング 奈良交通が創立70周年を迎えた2013年、奈良市内循環線のカラーをイエローに変更。均一運賃で乗降方式が異なる車両を識別できるよう配慮した(N)
カラーリング 奈良交通が創立70周年を迎えた2013年、奈良市内循環線のカラーをイエローに変更。均一運賃で乗降方式が異なる車両を識別できるよう配慮した(N)
車内 このうち2台は2018年に購入したブルーリボンハイブリッド。日野製AMT装備の長尺タイプで、側面表示器は前扉の隣にある。なお、同社の新型エルガ・ブルーリボンは右側窓が5枚とも開閉する(N)
車内 このうち2台は2018年に購入したブルーリボンハイブリッド。日野製AMT装備の長尺タイプで、側面表示器は前扉の隣にある。なお、同社の新型エルガ・ブルーリボンは右側窓が5枚とも開閉する(N)

■八木新宮線

●日野 QDG-KV290N1 ■奈良200か958/葛城営業所/一般路線

カラーリング トップドアの八木新宮線専用車を代替するため、2015年に3台が新製された短尺タイプ・AT仕様の新型ブルーリボン。山間部を長時間走行するため、車内はハイバックシートが並ぶ郊外II型である
カラーリング トップドアの八木新宮線専用車を代替するため、2015年に3台が新製された短尺タイプ・AT仕様の新型ブルーリボン。山間部を長時間走行するため、車内はハイバックシートが並ぶ郊外II型である
車内 また外装は沿線の名所が描かれたものとなった。2016年には同型のエルガ3台が増備され、八木新宮線は多客期の続行便を除きノンステップバスに統一された
車内 また外装は沿線の名所が描かれたものとなった。2016年には同型のエルガ3台が増備され、八木新宮線は多客期の続行便を除きノンステップバスに統一された

■高速バス

●日野 QRG-RU1ESBA ■奈良200か943/西大和営業所/高速

カラーリング 3色の太いラインが曲線を描く高速バスカラーは、1985年に登場した貸切ダブルデッカーのデザインを引き継いだもの
カラーリング 3色の太いラインが曲線を描く高速バスカラーは、1985年に登場した貸切ダブルデッカーのデザインを引き継いだもの
車内 3列シートの夜行高速車には、日野ブルーリボングランデッカー、三菱エアロキング、日野セレガRフルデッカーが採用され、現在は日野セレガハイデッカーに統一された。西大和所属の1台は奈良~横浜・京成上野・TDR線に使用されている
車内 3列シートの夜行高速車には、日野ブルーリボングランデッカー、三菱エアロキング、日野セレガRフルデッカーが採用され、現在は日野セレガハイデッカーに統一された。西大和所属の1台は奈良~横浜・京成上野・TDR線に使用されている

■貸切バス

●いすゞ 2RG-RU1ESDJ ■奈良200か1137/奈良貸切営業所/貸切

カラーリング モノトーンのストライプとオレンジ色の斜めのラインを組み合わせた貸切バスカラーは、1978年に初登場したスケルトンボディのフルデッカーから踏襲されている(N)
カラーリング モノトーンのストライプとオレンジ色の斜めのラインを組み合わせた貸切バスカラーは、1978年に初登場したスケルトンボディのフルデッカーから踏襲されている(N)
車内 最新の貸切車はEDSS搭載のいすゞエルガ。53・54人乗りのセミサロンである。なお、2019年3月にはパウダールームつき32人乗りの豪華スーパーハイデッカー「朱雀」が登場した(N)
車内 最新の貸切車はEDSS搭載のいすゞエルガ。53・54人乗りのセミサロンである。なお、2019年3月にはパウダールームつき32人乗りの豪華スーパーハイデッカー「朱雀」が登場した(N)

おじゃまします! バス会社潜入レポート 奈良交通編【その3】

【画像ギャラリー】奈良交通が所有するバスをイッキ見! バス会社潜入レポート 奈良交通【高速車・貸切車】

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