バスにミラーは何個ある!? そもそもどこを見てんの?

バスにミラーは何個ある!? そもそもどこを見てんの?

 大柄なバスはどうしても死角が多く、安全な運行にはミラーは欠かせない。これはトラックなどとも共通だが、サイドや後方だけでなく、真ん前でも見えないアングルがある。

 そこでバスにはどれだけミラーがあるのかを紹介したい。

文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)

【画像ギャラリー】バスのミラーあれこれ(6枚)画像ギャラリー

正解は「車両によって違います」

 バスのミラーは事業者により、またはバスのタイプや目的や投入されている路線により異なるので正確なことは「まちまち」というのが正解だろう。ワンマンの路線車とバスガイドが乗務する貸切バスとでの違いもある。

 ただし、ないと車検が通らない保安基準で定められたミラーは決まっているので、ここだけは正確なことがわかる。よく目に入るのは、ニョキッと伸びた車両前部の複合ミラー。この前部左右らあるミラーでは、後方、前部下方直前だ。

 前部下方用ミラーでは、運転席から死角になる直前の情報を得る。例えば、身体の小さな子供などがいないか、などの確認用だ。そして後方用は発進時や車線変更時の安全確認用であることはもちろん、バスの場合は右左折時のステアリング操作の確認用として、重要な役割を持つ。

1か所にたくさん付いているミラー
1か所にたくさん付いているミラー

 乗用車とはまったく大きさも挙動も異なるバスの場合、後輪の位置が右左折や停車時などの幅寄せ行動時に重要になるためだ。教習所や研修所など、バス運転の訓練をする場合、この挙動がもっとも大切なカリキュラムのひとつとして挙げられている。

 もしこの前部のミラー、得に左側が破損やひび割れなどしていたら、そのバスは運行を取りやめて修理を最優先にするほどだ。

車内のミラーもバスならではの乗用車とは別次元

 そして「客室の安全確認装置」として、いわゆるルームミラーがある。これは乗用車とは違いバスの後方を確認するためではなく、客室内の安全を確認するためにある。平面鏡か凸面鏡かでサイズは異なるほか、モニター装置とすることもできる。

高速車のサイドミラー
高速車のサイドミラー

 次に「後扉付近の旅客を確認する装置」として中ドア付近の乗客を確認するミラーがある。これは、前部左窓上部付近に後写鏡(平面鏡)と、後扉上部に後写鏡(凸面鏡)をそ れぞれ備えなければならない。

 これもモニター装置で代用することが可能だ。さらにダブルデッカー車の場合は階段付近の乗客を確認するためのミラーかモニター装置を備えなければならない。

次ページは : すべてのミラーには細かい規定がある!

最新号

【9月20日発売】巻頭特集は「東急バス」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン126号!!

【9月20日発売】巻頭特集は「東急バス」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン126号!!

バスマガジン Vol.126は9月20日発売!! 美しい写真と詳細なデータ、大胆な企画と緻密な取材で読者を魅了してやまないバス好きのためのバス総合情報誌だ!!  巻頭の[おじゃまします! バス会社潜入レポート]では、東急バスを特集。東京都から神奈川県において都市部から住宅地、田園地帯まで広いエリアを綿密なネットワークを展開、さらに高速路線バスやエアポートリムジンも大活躍。地域住民の足としてはもちろん、首都圏の動脈ともいえる重要な存在だ。  続く特集は、ついに日本に上陸しさらに種子島での運行が決まった、ヒョンデの電気バス[ELEC CITY TOWN]の試乗インプレッション。日本におけるヒョンデの本拠地である横浜・みなとみらい地区で、徹底的にその性能を確認した。  バスの周辺パーツやシステムを紹介する[バス用品探訪]では、なんと排出ガスからほぼ煤が出なくなるというエンジンオイルを紹介。この画期的な商品「出光アッシュフリー」について、出光で話わ聞いてきた。  そして後半カラー特集では、本誌で毎号、その動向、性能を追跡取材してきた「カルサンe-JEST」。このトルコ製小型電気バスがついに、運行デビューを果たした。その地は長野県伊那市と栃木県那須塩原市。今後の活躍が期待される出発式を紹介する。