高速バスのリクライニングは倒す? 倒さない? そのマナーと実状の境界とは……

一斉リクライニング方式

 一時期話題になったのがこの方式だ。バスが発車しあるタイミングで乗務員の掛け声のものとで一斉に乗客全員がリクライニングするという方法だ。

 この方式のメリットはいくつかの乗車停留所がある場合に、すべての乗車が終了した後に(最後の乗車停留所を出発した後に)乗務員が車内放送で一斉にリクライニングすることをお願いする。

全席倒してあるのは少数派だが、乗務員が“音頭をとって”くれるのもありがたい。写真のシートはオリオンバス
全席倒してあるのは少数派だが、乗務員が“音頭をとって”くれるのもありがたい。写真のシートはオリオンバス

 よって途中乗車の乗客も座席に入りやすく、後からリクライニングするという気おくれ感がない。また街中を外れ高速道路や国道等のあまり揺れずに安定した走行になってからリクライニングさせることにより、それまでの時間で必要なことができる時間的な余裕が生まれるメリットもある。

快適な高速バスのために…

 どの方式が良いのかは一概には言えないものの、4列か3列か、途中乗車地の有無、降車休憩のタイミング、出発時刻や運行時間等の条件によりとらえ方は変わるだろう。

先代はかた号エアロクイーンの例
先代はかた号エアロクイーンの例

 快適な高速バス車内の確保のためにどの方式が最適解なのか、利用者が意見を発信することも一つの手だ。もっともすべての希望を満足させることはできなくても、徐々に最大公約数を取ることはできるのではないだろうか。

 そんなことよりも、みんなが気持ちよくリクライニングできるように「倒すのが前提」な広い心を持つことができればよいのだが、世知辛い世の中ではそれがスタンダードになることは難しいのかもしれない。

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