スケールダウンしつつも持続的な経営体質を模索するバス事業

■普通に人々が移動でき健全な事業展開ができる時代へ

 一部には補助金を増額すればよいという論調もある。ただ、現状の路線バスの補助制度は標準原価から、過去の実績ベースで算出される仕組みゆえ、支給されるときにさらに状況が悪化していると欠損額を埋めることすらできず、車両購入など一時的に高額な投資を行う原資の捻出は困難となる。

 ありがたいことに多くの自治体でコロナ対応の一時金をバス事業に拠出してくれたが、利益の出せる事業を活かし、内部補助を気にせずに展開ができるよう、地域にとって必要なバスサービスの確保に向けて自主運営路線の維持も含めた“包括補助”を自治体が検討する時期に来ているのではないだろうか。

 人が動かなければバス利用も伸びない。人流抑制の考え方にはさまざまな意見があろうが、2020年秋の「GoTo」のように急激に人が拡散するような状況でなければ、むしろ早く普通に人が移動できる環境が必要であろう。

 幸い“第5波”後の落ち着きと、選挙などもあって結果的には緊急事態宣言解除~飲食店の制限解除~今後「GoTo」と段階的にゆっくりと進んでいる。

 ワクチン接種の進行や人々の基本的な感染対策の常態化などにより、感染リスクはかなり低減しているはずなので、感染対策はこれまで通り徹底した上で、人を動かし経済を回す方向への転換の時期ではないだろうか。

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バスマガジン Vol.126は9月20日発売!! 美しい写真と詳細なデータ、大胆な企画と緻密な取材で読者を魅了してやまないバス好きのためのバス総合情報誌だ!!  巻頭の[おじゃまします! バス会社潜入レポート]では、東急バスを特集。東京都から神奈川県において都市部から住宅地、田園地帯まで広いエリアを綿密なネットワークを展開、さらに高速路線バスやエアポートリムジンも大活躍。地域住民の足としてはもちろん、首都圏の動脈ともいえる重要な存在だ。  続く特集は、ついに日本に上陸しさらに種子島での運行が決まった、ヒョンデの電気バス[ELEC CITY TOWN]の試乗インプレッション。日本におけるヒョンデの本拠地である横浜・みなとみらい地区で、徹底的にその性能を確認した。  バスの周辺パーツやシステムを紹介する[バス用品探訪]では、なんと排出ガスからほぼ煤が出なくなるというエンジンオイルを紹介。この画期的な商品「出光アッシュフリー」について、出光で話わ聞いてきた。  そして後半カラー特集では、本誌で毎号、その動向、性能を追跡取材してきた「カルサンe-JEST」。このトルコ製小型電気バスがついに、運行デビューを果たした。その地は長野県伊那市と栃木県那須塩原市。今後の活躍が期待される出発式を紹介する。