ディープな時間帯の“お助け便”……「深夜バス」の運行時刻が謎すぎる!!

ディープな時間帯の“お助け便”……「深夜バス」の運行時刻が謎すぎる!!

 夜も更けて、普通のバスが終わった後で姿を見せるのが「深夜バス」だ。この深夜バス、平均的に見て何時頃から何時頃まで活動しているのだろうか?

文・写真:中山修一

■多彩な意味を持つまでになった「深夜バス」

バスだって暗くなれば寝静まるのが普通であるが…
バスだって暗くなれば寝静まるのが普通であるが…

 ここ四半世紀くらいのうち「深夜バス」にも様々なニュアンスが生まれ、バスの種類的には3つくらいに分けられるようになった。まずは“キング・オブ〜”でおなじみの都市間高速夜行バスとしての深夜バスだ。

 夜行バスと深夜バスは全く性質が異なるのだが、今となっては、あれはあれで「深夜バス」と表現しないと険悪なムードになってしまうほど広く浸透し、本来の意味よりも通りが良い俗称にまで昇華している。

 二つ目は、主に大都会の主要駅を日付が変わる時間帯に出発し、高速道路などを経由しながら郊外の鉄道駅などを目指す、深夜急行バスとしての深夜バスだ。高速車やワンロマ車といった、路線車に比べるとハイグレードな設備の車両がよく使われるのが特徴だ。

 ところがコロナの影響で運休や廃止になってしまった路線が多々あるため、2023年5月現在のところ、深夜急行バス自体の存在が激レア化している。かつては、渋谷駅から毎夜発車する深夜急行バス「ミッドナイトアロー」が有名であった。

 三つ目が、主に郊外の鉄道駅を深い時間帯に出発して、数キロ程度の比較的短い距離を走る、一般路線バスとしての深夜バスだ。これが本来の深夜バスであって、今回のトピックにあたる。

■普通と深夜の境界線とは

 「深夜バス」という特別な括りになっているものの、経路や車両は基本的に昼間走るバス路線と変わらない。昼間と深夜とで系統を変えて区別を付ける場合もあるが、最大の違いは運賃で、大抵のバス事業者では通常運賃の倍額に設定されている。

 昼間の運賃が220円だとすれば深夜バスは440円。定期券利用でも深夜割増運賃が別途必要になり、深夜運賃が440円の場合、定期券提示に加えて220円を支払えば利用できる。

 では、大体何時頃から普通のバスが深夜バスに変わるのか……おおむね23時を過ぎると普通のバスが終了(いわゆる終バス)となり、深夜バスへとシフトする。具体的な開始時刻は事業者ごとに違うようで、23:00のところもあれば、23:30のところもある。

次ページは : ■最も遅く出発する深夜バスはどれ?

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