混雑する道を走るのに時間ぴったり!!  バスの定時運行には秘密のワザがあるってマジ?

混雑する道を走るのに時間ぴったり!!  バスの定時運行には秘密のワザがあるってマジ?

 路線バスを利用した際、道が混んでいても割と定時運行をキープしていたりする。だいぶスローだけどホントに時刻表通りなの? と勘繰ってしまいたくなる時もままあるが、それは単純に遅く走っているように見えているだけなのか、それとも……!?

文・写真:中山修一

■遅く走っていても時間は守る!!

どの時間帯もバスが定時運行できるヒミツは時刻表にあり?
どの時間帯もバスが定時運行できるヒミツは時刻表にあり?

 この、遅れていそうなのに時間通りな運行スタイルは、特に交通量の多い道路を通る路線バスで目の当たりにしやすい。ごくシンプルに考えてみるとすれば、同じバス路線で各便ごとの所要時間に注目してみるのが早そうだ。

 例えば、始発から終点までのバスの所要時間を、交通量が少ない時間帯は20分に、混んでいる時間帯を30分に設定しておけば、ある程度まで時刻表に即した運行ができるようにはずだ。

 本当に時間帯ごとに所要時間が増減しているのか、普段混みそうな道が経路になっている都会の路線バスを適当に選び、時刻表をチェックしてみる。1例目は、朝は3分おきくらいにバスが出ている本数の多さで有名な、東急バス「黒01」系統だ。

 「黒01」系統は、JR山手線、東急目黒線、東京メトロ南北線、都営地下鉄三田線の目黒駅前と、約4km先の大岡山小学校前を結ぶ路線。

 目黒駅を出発して大岡山小学校前で折り返し、ちょっとだけ違う道を経由して再び目黒駅前に戻ってくる、柄杓状の経路を取るのが特徴だ。

 行って戻ってくる通しの所要時間を見てみると、始発の6:09発が44分、6:20発が45分、それに続き40分、41分、43分と、40分台前半が8時頃まで続き、9:19発を過ぎると、15時台まで所要時間46分に固定される。

 15時台を境に所要時間が短くなりはじめ、18:33発42分、20:59発37分、22:11発34分のように、時間が深くなるにつれ足が速くなる。目黒駅を出て目黒駅に戻ってくる最終便となると33分まで短縮する。

 黒01系統の場合、行きと帰りの所要時間の配分で言うと、朝が往路16分で復路26分、昼間が17分と29分、最終15分と18分のように、大岡山小学校前から目黒駅前に戻ってくる復路のほうが長めに取られている。

 同じ系統のバスでも昼と夜とで最大13分の所要時間の差……黒01系統のメインルートである都道312号線は、朝晩よりも昼間の交通量が多いためか、明るい時間帯の便のほうが所要時間が長いという結果になった。

次ページは : ■日本一交通量が多い道を走る路線バスで比較

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