「旅行会社主導」から「テーマ性を持つ旅」へ!! “昭和の旅行”を支えた貸切バス事業が変革を迎える時が来た!?

■「昭和の旅行」脱却への動き

「たびポス」サイト。ユーザーは自分なりの旅程を投稿できるとともに、他の人が投稿した旅程を検索できる
「たびポス」サイト。ユーザーは自分なりの旅程を投稿できるとともに、他の人が投稿した旅程を検索できる

 それにも関わらず、現状は、クルマ旅行以外で、ごく一般の旅行者(バスや旅行の愛好家ではない人)が、「本当に自分が関心を持つ」「そこでしかできない体験」を楽しむ旅行をできている、とはおそらく言えないだろう。

 たしかに、ウェブ上には様々な観光地や宿泊施設のクチコミ情報が溢れ、交通や宿泊の予約も、多様な選択肢を比較検討しながら予約できるようになった。

 しかし、それらは一つ一つの「点」に過ぎず、旅程という「線」を、旅行者本人が自分の思い通りに組み上げるのはハードルが高い(繰り返すが、愛好家ではない一般旅行者の話だ)。

 経路検索サービスも充実したが、最も「効率のいい」乗り継ぎルートを示してくれるが、それは最も「楽しめる」ルートではない。

 そのような中、筆者もお手伝いし、新しいウェブサービスをローンチすることができた。

 サイト名は「たびポス」(https://tabipos.jp/)。一般の旅行者や観光業界の関係者が、実際に行った旅行やお勧めコースの旅程を投稿できる。他の旅行者は、投稿された多数、多様な旅程を検索し、自分用にカスタマイズできる。そのまま宿泊や航空の予約へ飛ぶこともできる。

 作ったのは札幌観光バス。それゆえ、まずは北海道限定だ。同社は、元は名鉄系の老舗貸切専業者だが、新しい経営者の下、「昭和の旅行」モデルからの脱却を図っている。

 成功のカギは、定番物から個性的なコースまで、多様な旅程を集められるかにかかっている。バス愛好家の皆様には、ぜひ、秘境路線の乗り継ぎだとか高速バスの一筆書きだとか、マニアックなコースを「作品」としてどんどん投稿いただきたい。

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