「縦がまかり通るなら横だってありえるだろ」……こんな“よこしまな”ほんの出来心から始まった乗りバスの話。はたして可能なのか!?
文・写真:中山修一
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■愛知県の縦に線路が延びる場所
愛知県の知多と西三河。どちらも隣り合い海に面しているこのエリアには、それなりに多くの鉄道路線が通っている。
知多には名鉄常滑線、名鉄河和線、名鉄知多新線、JR武豊線。お隣の西三河には名鉄三河線、名鉄西尾線があり、地図で見るといずれも縦方向に、海を目指す形で線路が敷かれている。
これだけ縦向きのクシ状に鉄道が揃っているなら、路線と路線の間を横方向にショートカットする路線バスのひとつでも運行していそうな気がする。
知多から西三河へ、縦向きの鉄道を使わず横方向だけで移動できないものだろうか。2023年現在のところ、横方向に線路が敷かれている鉄道路線は名鉄知多新線の一部と名鉄蒲郡線だ。
知多新線のほうは知多半島の突端部分にあり、ちょっと行き過ぎな感があるのと、同じところを2回通る必要が出てしまいそうなため今回はパス。
地図で見て知多エリアの最も左端を通っている縦向き鉄道線の、どこかの駅からスタートして、名鉄蒲郡線の吉良吉田駅まで右横に移動しながら到達できれば、とりあえず成功と見ていい。
■常滑から吉良吉田を目指す
簡単なリサーチの上で吟味した結果、どうやら名鉄常滑線の常滑駅をスタート地点にするのがベストだと睨んだ。
常滑駅から、隣の縦向き鉄道線になる名鉄河和線の知多半田駅まで、直線距離にして約8.2kmの間を、横方向にショートカットして結ぶ路線バスが運行されていると訪問前に気付いた。
当日は名鉄名古屋駅から特急に揺られること30分、何事もなく常滑駅に降り立った。お目当てのバスは知多バスが運行する「半田・常滑線」だ。
大体1時間に1本のペースでバスが出ているようで、最低限の待ち時間で済むよう、名古屋駅を出る際にある程度時間を調整した。
常滑駅を出発した時点で8名ほどの乗車があった。途中までの利用がほとんどで、知多半田駅まで乗り通したのは2名。所要時間約40分、運賃は550円で現金払いのみだ。
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