■だいぶ変わった!? 広尾バスターミナルの近況
広尾バスターミナルとその待合所の姿を最後に見たのは2018年6月23日。解体工事など露知らず、過去に何度か訪れて親しみを持った元・駅舎の建物の2/3がなくなっている光景をリアルタイムで目撃して、凄まじいショックを受けたのは昨日のことのように覚えている。
あれから広尾のバス待合所はどうなったのか……コロナの影響もあったせいで、2023年11月時点で5年以上の間が生じてしまったが、ようやく現地の様子を見に行く機会ができた。
現在のところ広尾バスターミナルの場所は変わっておらず、旧駅舎が建っていた位置に新しい待合所ができていた。切妻屋根で看板建築風にまとめられた可愛らしい木目調の建物で、鉄骨造り64平方メートルとのこと。
待合所の正面に飾られた、丸ゴシック系の「広尾 HIROO」の表記と、町のシンボルを思わせるモミの木と赤いブーツのオーナメント、学校の校舎にも使われていそうな伝統的な丸時計が、ちょっとだけ旧駅舎時代の思い出を残している。
待合所の中にはベンチ、図書コーナー、トイレ、十勝バスのチケット販売窓口がある。旧駅舎時代に兼任していた鉄道記念館の部分は、4kmほど離れた広尾町海洋博物館・郷土文化保存伝習館に移設されている。
建物の正面にバス用のロータリーと停留所、裏に自家用車等の駐車場がある配置は以前と同じ。建物裏に残っていた腕木式信号機の切り替えレバーは、2018年の時点で一緒に撤去されたようで、残っていなかった。
発着するバスは帯広方面への十勝バス広尾線、襟裳岬方面のジェイアール北海道バス日勝線、札幌を結ぶ高速バス「ひろおサンタ号(2023年11月から運休中)」の3路線だ。
敷地面積こそ昔のままだが、全体的にかなりコンパクト化した印象。建物一つ違うだけで、だいぶ見た目が変わるものだ。
バスターミナル隣の公園に置かれている記念モニュメントを除けば、待合所の建て替えと共に、国鉄広尾線の遺構は完全になくなったと考えて良さそうだ。
これで広尾バスターミナル周辺にある鉄道時代を偲ばせる“現役”の設備は、ターミナルの100mほど手前に立っている道路標識だけになった。
【画像ギャラリー】広尾バスターミナル待合所2012-2023(9枚)画像ギャラリー
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