■資料の少なさが泣き所
続いてバスのジャンルを変えて、高速道路を通らない一般路線バスで最も低いのはどれかを掘り下げてみよう。
しかし、よくよく調べ始めてみると、最高地点にまつわる情報はたくさん出てくるのだが、低いほうはあまり注目されないようで、一般道の海底トンネルこそ各地に存在していても、深さまで分かるものが極めて少ない印象。
資料が限られる中、なかなか深そうな一般道トンネルに挙げられるのが、山口県〜福岡県を隔てる関門海峡の下を通る国道2号線の関門トンネルだ。
深さは海面-56mほど。車道と歩道が別々のトンネルに分かれているのが関門トンネルの特徴で、日本では数少ない、歩いて渡れる海底トンネルの一つに数えられる。
あとはここを通るバスの有無を調べるだけ。しかし関門トンネルは何しろ県境を跨ぐため、一般路線バスが特に避けがちな道に相当する。
昔は関門トンネルを経由するバスが出ていたようだが、現時点でここを通る路線バスは1本もないようだ。
■再び東京湾が登場
深さの分かるトンネルを探していて、再度出てきたのが東京湾エリア。国道357号線が通っている東京港トンネルがあり、こちらの深さが海面-22mとされる。
気になるバス路線であるが、京急バスの「井30系統」が東京港トンネルを経由するとあった。ところがこの路線は2024年2月に廃止されてしまったため、現状同トンネルは路線バス空白ゾーンになっている模様。
もう一つの東京湾エリアの海底トンネルに、深さ-14mの川崎港海底トンネルがある。こちらは現在も川崎市営バスの「川05・07系統」の経路に含まれており、低いところを走る一般路線バスの一つに数えられそうだ。
■最深クラスはこれか!?
また東京湾を離れて、もう1カ所低そうな海底トンネルが見つかった。新潟県の新潟みなとトンネルがそれで、深さ海面-24m。信濃川の河口付近にあるため正確には川底らしい。
果たしてこのトンネルをバスが通るのか!? 通っていた!! 新潟交通が運行する「C50・51系統 西堀通線」が、新潟みなとトンネルを経由する。
現状判明している時点では新潟交通C50・51系統が、最も低いところを走る一般路線バスの栄冠を手にしそう。ただし、バスの便数が1日1往復しかないので、合わせて極レア路線の肩書きもつく。
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