■車両は各路線で固定?
そんなパリの路線バス、面白い車両の特徴をご紹介しよう。
ヨーロッパの路線バスというと、多ドアでどこからでも乗降が可能というのが一般的だが、パリはロンドンと同様、前後2カ所のドアで、前ドアから乗り中ドアから下車する。
特にドライバーが運賃収受を行うわけではないが、これは昔から変わらない。2ドアしかないので、日本のバスと同様に後方まで座席があり、着席できるチャンスは他のヨーロッパのバスよりは多い。
ただ近年は連節車両を含め、3つドアを持つタイプも見かけるようになり、やはり複数のドアがあった方が乗降時間を短縮できるのだろう。
そんなパリの路線バス、車体を見て気付くのが、系統番号と行き先が車体にステッカーで貼り付けられていることだ。
もちろん、車体前面および側面にはLEDによる行先表示器が設置されているが、そんなことはお構いなしと言わんばかりだ。
これでは他の路線で使用できないじゃないかと思うが、サボ受けのようにプレートをはめ込む枠が設けられている。
他路線で使用するときはここに別の系統が書かれたプレートを入れるのだろう。なお、最近の車両はステッカーが見られず、やはり非効率と感じたのかもしれない。
警笛がクラクションではなく、トラムのような「カーン」という鐘の音なのも、パリならではの特徴だ。
確かに、ブーブー鳴らされると不快な気持ちになるが、電子音とはいえカーンという鐘の音はそれほど嫌な気分にはならない。もっとも、カーンカーンカーンと連打しながら走っている姿をよく見かけるが。
まるで歌うように話すフランス語の響きや、あらゆる構造物がいちいち気障っぽくお洒落なデザインなのも含め、この鐘の音も如何にもフランスらしい気分にさせられるから何とも不思議なものだ。
【画像ギャラリー】鐘の音高らかに!! 歌うように走るパリの路線バス(14枚)画像ギャラリー
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