WILLER EXPRESSは春節ならびに春運期間における高速バス「WILLER EXPRESS」の予約状況から、予約動向をまとめた。旧暦の正月「春節」の前後40日間は「春運」と呼ばれ、多くの中国人が国内外問わず移動する。
文:古川智規(バスマガジン編集部)
(詳細写真は記事末尾の画像ギャラリーからご覧いただくか、写真付き記事はバスマガジンWEBまたはベストカーWEBでご覧ください)
■高速バス「WILLER EXPRESS」の予約動向
同社ではWILLER会員として高速バス「WILLER EXPRESS/STAR EXPRESS」を予約・利用する中国籍かつ日本国外在住者を「訪日中国人旅行客」と定義している。団体旅行から個人旅行へのシフトで、高速バスでの移動が増加していると推測される中で、訪日中国人旅行客は前年同期比約11倍と大幅な伸びを記録した。
また、訪日中国人旅行客の8割超が「関東⇔関西線」を利用している。訪日中国人旅行客の年齢層は6割超が「18~23歳」だった。これは、春運が中国の大学の冬休み期間と概ね重なることから、冬休み中の中国人大学生が高速バスを利用していると推測される。
■訪日中国人旅行客は過去最多ペース
2025年の春運期間中の訪日中国人旅行客の利用は、2025年1月28日(火)時点で2473人となり、2024年同時期と比べると約11倍と大幅な増加になった。
特に春運が始まる1月13日の週は801人で、週単位では過去最多。日本全体での訪日中国人旅行客の増加に加え、2024年2月に予約サイト「WILLER TRAVEL」で中国系の決済サービスを開始したこともあり、2024年全体でも回復基調だったが、春運期間はそのトレンドを大幅に上回る急増にあた。
訪日中国人旅行客の2025年春運期間中の利用路線を見ると、全体2473人のうち約8割が「関東⇔関西線」を利用し、前年比では14倍になった。日本人利用者と比べて「DOME(ドーム)」「ReBorn(リボーン)」といった高ランクの3列シートを選ぶ傾向が強く、「日本ならでは」の快適なシートへのニーズが高いことが伺える。としている。
■「ずらしてお得に」
春節を避けて来日する大学生が多いのも特徴で、春運全体として訪日中国人旅行客の数は増加しているが、春節前後の1月29日の週・2月5日の週はその前後の週よりもやや少ない。
移動のピークになりえそうな時期なのにピークにならなかった理由として、訪日中国人旅行客の多くが冬休み中の大学生であり、高速バスで「ずらしてお得に」移動をしている傾向があることが考えられる。と分析している。
■ウィラー担当者の見解
2019年の春運期間中(2019年1月14日(月)~2019年2月24日(日)と定義)の訪日中国人旅行客は274人であり、それに比べると今年は速報値の時点で9倍以上と大幅に増えている。日本全体で見ると、訪日中国人旅行客数はコロナ前と比べるとまだまだ回復途上ですが、高速バス市場では傾向が異なるようです。
訪日中国人旅行客の質的な変化、いわゆる「団体旅行から個人旅行へのシフト」については様々な旅行系メディアでも論じられていますが、その結果増えた大学生のFIT(Foreign Independent Tour)旅行者が高速バスを積極的に利用しているのではないかと推測されます。
このような変化に対応し、弊社では、2024年2月に予約サイト「WILLER TRAVEL」にて、高速バス予約時のWeChat PayおよびAlipay+の中国系決済サービスを開始するなど対応していますが、今後も予約時や乗車時のご案内などにおいてもサービスの質を高めていきたいと考えます。
コメント
コメントの使い方