47都道府県の各地には、名前くらいなら誰もが知っている有名観光地が必ずといっていいほどに存在しているハズだ。では、そのスポットへの行き方となると……? ここはもちろんバスマガジン流にご案内。まずはあの雄大な場所だ!!
文・写真:中山修一
(鳥取砂丘とその交通手段の写真付きフルサイズ版はバスマガジンWebもしくはベストカーWebをご覧ください)
■日本一有名!? な砂場
日本の有名観光地の中で、鳥取県を代表するのはどこかと聞かれて、真っ先に思い浮かびそうなのが「鳥取砂丘」。
切り取り写真を見る限りは砂しかない風景が一面に広がる、砂漠みたいなあの場所だ。周辺の名産品はラッキョウ。
鳥取県が公表している令和5年度のデータを参考にすると、年間に鳥取県を訪問する観光客の数が全体で969万5,000人。
うち、鳥取砂丘を含めたエリアへの訪問者数は310万9,000人。およそ32%が砂丘方面へ向かうとあれば、なかなかの人気ぶりを誇る観光スポットであるのが見て取れる。
■砂丘ってどこにあるの?
そんな鳥取県の旗振り役と言えそうな鳥取砂丘であるが、名前こそ通りは抜群ながらも、「どこにあるの?」と聞かれると、「鳥取県でしょ?」とザックリ答えて話が途切れてしまう恐れを拭いきれない。
名前と具体的な所在地の知名度に、極端な差異を感じるのは有名観光地あるあるかも。似たような例に札幌時計台(あそこ中入るとガッカリじゃないよ)や美ら海水族館などが挙げられる。
さて、その「鳥取県でしょ?」を、もうちょいマクロな範囲までクローズアップするとして、鳥取砂丘の位置に着目すると、鳥取市内の日本海の海岸線に沿った場所にある。
砂丘と砂浜とでは“でき方”が違うようであるが、鳥瞰図で見ると「大きな砂浜」とも取れなくはない。
多くの場合、観光目的で最寄駅として機能するのは恐らく、JR山陰本線・因美線の鳥取駅だ。主要駅が最寄という点では分かりやすい。
駅から砂丘までは約7kmと、歩いて行くには少々大変な距離。となれば、マイカー/レンタカー・タクシー以外のアクセス手段も用意されているはずだ。
■数値上は足りている…かな
鉄道、モノレール、新交通システム、LRT、路面電車、ロープウェイ、路線バス等々、公共交通機関にも様々な種類がある。
鳥取砂丘は有名ということで、何か特別な移動手段があるかと思えば、これといった変化球はなく、ごく普通の路線バスと、周遊向けの循環バスが鳥取駅前〜鳥取砂丘を結んでいる。
循環バスは「ループ麒麟獅子」と呼ばれるもので、こちらは土日祝と振替休日・お盆と、運転日が限られている。
毎日運行しているのは、日本交通と日ノ丸自動車が共同運行する「39系統 鳥取砂丘線」になる。9〜18時台まで1日12往復、30〜70分おきのダイヤ設定。
有名観光地にしては39系統が割とローカルな本数だったのは、ちょっと意外だった。それで足りるのかな? と気になって、超おおまかなイメージを数値で掴むべく電卓を叩いてみる。
令和5年のデータで、鳥取県内の観光での路線バス利用者数が23万9,000人。仮に前述の32%が砂丘方面へ行ったとすれば76,480人で、単純に平均すると1日あたり約210人。
恐らく午前中〜お昼に駅を出発する5本に利用が偏るとして、210人全員をフラットに振り分けても1便あたり42人。
事実と切り離して考える必要性は消せないにせよ、これなら路線バスだけで数値上は足りる計算、にはなったね。
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