旅といえば、手に入れたその場ですぐ使ったり食べたりする目的ではない“お土産”の類はつきもの。お土産は自分で買うケースが大多数を占める中、なんとも有難いことにご厚意で頂けてしまう機会がごく稀にある。
文・写真:中山修一
(バスマガジンWeb/ベストカーWeb内本文上とギャラリーに、バス/電車旅中のおみやの思い出にまつわる写真があります)
■思い出の“お土産”を振り返ってみると
バスや電車・飛行機ほか公共交通機関を利用しながら旅している途中、お土産を頂けてしまうラッキーなイベントが発生する場合も少々。
そこで今回は、公共交通機関で旅行中に手に入れた頂き物の“お土産”をテーマに、思い出深い品々を3つ振り返ってみることにした。
改めて3アイテムを並べてみると、全てがある共通点で繋がると気付いた。それは「コメ」である。
■名古屋城とアルファ米
まずは2023年の秋頃、名古屋城周辺に置いてあるバス停の名前に「名古屋城前」があるかどうかを確かめに現地へ様子を見に行った日。
名古屋城の有料エリアには資料館などもあり、そちらを見に行こうとしたところ、入口でアンケートに答えてほしいと言われて回答したところ、こちらをお礼にぜひどうぞと“お土産”をくれた。
品物はアルファ米のわかめご飯と、名古屋城内の資料館のラベルを貼り付けた、乾パンの入ったパッケージを養生テープで連結してセットにしたもの。
意外なものをくれるんだな〜、と興味津々で受け取ったことは受け取った。とはいえ後になって「なんでお城に非常食なんだろう?」と、疑問ベースの想像をあれこれ巡らせる流れに。
その答えは賞味期限にあったようで、割と期限が近い。と、いうことは……あ〜、これ多分、市役所かどこかで備蓄していたやつを、捨てちゃうのは勿体無いだろうからうまく放出したのね、という勝手な推測を結論として落ち着かせた。
基本的には非常食向けのアルファ米と乾パンを“お土産”に転身させるとは斬新。アイテムの性質がかなり意外だったので、なにかと思い出に残っている“お土産”の一つだ。
■標茶の温泉ホテルとオニギリ
続いては2021年11月頃の北海道にて。道内の各路線バスやJR線を乗り継いで、道東方面をぐりぐり巡っていた日の1品。
その日はJR釧網本線の標茶駅で下車、歩いて15分くらいの温泉ホテルを取っておいて、そこに泊まった。
館内にアラカルトで頼めるレストランがあり、夕食はそこに決定。ラム肉系がウリとのことでかなり期待。
当方それなりに酒を飲むクチ。とはいえラム肉系は定食形式しかない様子。料金はそのままで良いので、と単品化の交渉をしたらOKが出て、無事おかず皿をツマミにする作戦へとシフト。
その時オススメ品になっていたラム肉ハンバーグを注文して、クセがあるだけクセになるってこういうのかもね、と、日常から遠く離れたよそ行きの味わいを堪能。
ほかにもあれこれ頼んで、だいぶ酒も進んで酔っ払ってきて、ぼちぼち部屋に戻ろうとした矢先、ホールのお姉さんが「それだけ飲めば食べたくなるでしょ?」とテーブルにそっと置いたのは、ラップに包まれたオニギリだった。
酒を飲む際、最初はさすがにアルコールとご飯の糖分同時進行は死神の呼び水でしょ? と、万年不健康なくせして瞬間健康派をキメ込み、単品注文とか小手先の誤魔化しで自己正当化するのが常套手段。
それでも酔って判断力が鈍ってくると、そんなのどうでも良くなるのが平常運行ルート。飲んだ後の炭水化物って沁みるんだよね〜。
あのレストランの厨房とホールのお姉さん、ちゃ〜んと酒飲みのブレまくる心理を見抜いていたようで。はい、付け入る隙もございません。即興力を発揮したパーフェクトな“お土産”に感動の夜であった。










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