2年に一度開催される、世界最大の鉄道見本市イノトランス。今年でちょうど30年、15回目を迎えた同イベントには、約20万平方メートルの敷地に59カ国から集まった3190社が出展。世界120カ国以上から、約17万5000人の訪問客が訪れる、まさに世界最大級の見本市である。
文・写真:橋爪智之
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■バスの展示も一応あります
目玉は何と言っても、鉄道の本線から引き込まれた線路により、実物の車両を持ち込んでそのまま展示ができる点にある。
細かい部品などの展示はいくらでも例があるが、実物の鉄道車両がそのまま持ち込まれる、数少ないイベントである。
この見本市は、もちろん鉄道関連の展示が中心になるが、バスも展示を行っている。会場となるメッセ・ベルリンは、四方を展示場に囲まれた広大な中庭があり、そこには周回路が設けられて、実際に試乗することもできる。
過去には黎明期の頃のEVバスや、自動運転のデモンストレーション走行なども行われていた。ところが、今年2026年の展示はたったの2台、前回も前々回も10台前後の展示があったので、大幅な減少である。
これはどうしたのか? メッセ・ベルリンの代表に確認したところ、同じ時期にモーターショーが開催され、バス事業者の多くはそちらへ流れてしまったことが原因とのこと。
同じ交通系の見本市ということで、バスは是非ともイノトランスにも出展して欲しかったものだが、自動車という括りではモーターショーに流れてしまうのは致し方のないところだ。
■路線バスの常識を超えた内装
では、出展してくれた2社はどこの会社だったのか。1社は、ドイツ鉄道グループの地域輸送部門であるDB Regioで、もう1社はチェコのシュコダグループであった。
DB Regioは、フランクフルト周辺地域で運行予定のEVバスで、MANが製造したもの。この車両の特徴は、次世代のコンセプト車両ということで、路線バスながら非常に高級感あふれる内装が特徴となっている。
例えば、床の素材は従来と変わらないが、木目調のパターンを使用して落ち着いた配色となっている。
前~中ドア付近に設けられた座席は、シースルーの薄手の布地が使われており、内部に設置された電飾がシートバックを照らすという、非常に凝ったデザインだ。
ただ広報担当者曰く、デザインに凝っただけではなく、布地自体を取り外し可能で、清掃しやすいという利点もあるという。
車体後方の座席は、一転してハイバックで革張りの重厚な座席が目を引く。路線用ながら贅沢な片側1列+手荷物を載せることが可能なテーブル付き、また枕付近にはパーテーションが囲うように設置され、気持ち程度のプライベート空間を生み出している。
車体後部は、応接室のようにソファが配置された空間があり、もはや住居のようだ。旅客案内装置も、従来の液晶タイプとは別に、窓ガラスに透過式の案内表示パネルが設置され、見やすいかどうかはさておき、これもなかなか近未来的だ。
次世代コンセプトということだが、フランクフルト近郊の路線で営業することが決まっているとのことで、是非とも実際に乗車してみたいものだ。







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