バスマガジンというと路線バスや観光バスばかりを追いかけていると思われるが、実はマイクロバスだって守備範囲。
愛すべきマイクロバス界のパイオニア、トヨタ「コースター」に新グレードが2020年5月19日発表となった。近年の観光バスなどとどうように輸送性よりも居住性や高級感を優先したグレードのようだ。
トヨタのプレスリリースを基に情報を整理していこう。
文:ベストカーWeb編集部/写真:トヨタ
■通常7列シートを5列まで削減し広々車内実現
トヨタ自動車は2020年6月1日にマイクロバス「コースター」に最上級グレード「プレミアムキャビン」を設定し発売すると発表した。
高級路線がミニバンなどでも流行を見せているなか、トヨタは大型バン「グランエース」を発売。4列シート採用など実用性と高級感を兼ね備えたグランエースは高級ホテルの送迎などにも需要が高そうだ。
しかーし!! トヨタにはグランエースよりも大きなクルマがあるじゃないか。そう、マイクロバスの「コースター」だ。マイクロバスのパイオニアとしてグランエースに負けちゃいられん、と言ったかは不明だが最上級グレードを設定した。
このコースタープレミアムキャビンは「『快適でゆとりのあるシートレイアウト』と『広いラゲージスペース』にこだわった」という。
具体的には、ゆとりのある座席スペースを実現するため、シートは通常の5~7列シートよりも少ない5列シートを採用しており、座席の前後間隔を約1m確保しているという。
小さなキャリーケースくらいなら足元にも置けて、フットスペースもバッチリ確保できる。
車両後方にはラゲッジスペースと、観音トビラとなるバックドアの設置でゴルフバッグなども運び出しやすい。空港への送迎など多くの場面でこのような工夫は活躍しそうだ。ロケバスの機材だってここから下ろせる。
内装は専用装備として、スエード調素材と合成皮革を組み合わせたブラックのシート表皮を背もたれと座面に採用。また、外装にはセンタードアの横に、PREMIUM CABIN専用のステッカーがある。これはバスマニアなら判別法としてしっかり押さえておこう。
そのほか、パソコンや携帯電話の充電用USB端子を右窓側座席に設定するなど現代的な顧客需要に対応している。定員21名で価格は1029万4000円となる。