関門間の移動は6パターンもある!
門司港レトロ地区を過ぎると、生活路線になり「関門トンネル車道口」を経由する。九州と本州を結ぶ経路は実は6本もある。
関門自動車道の関門橋、国道2号線の関門国道トンネル、人や自転車・原動機付自転車が通る関門人道トンネル、山陽本線の関門トンネル、山陽新幹線の新関門トンネル、そして関門汽船が運航する関門連絡船である。
現在のところ福岡市と下関市との間には高速バスがあるが、北九州市と下関市を結ぶ路線バスは存在しないので、徒歩の場合は門司駅から山陽本線、小倉駅から山陽新幹線、あるいは関門人道トンネルを徒歩で渡るか、門司港レトロ地区から関門連絡船を利用するかの選択になる。
バナナのたたき売りの集積地はここだった!
田野浦は門司の中ではかなり古い商港で、たたき売りで有名なバナナは門司港で陸揚げされて保管、熟れるのを待って出荷されたが海上輸送中に熟れてしまった一部が門司の港町でバナナのたたき売り(啖呵売)で売りさばかれた。
現在でもバナナ等の果物を扱う保税倉庫があり、九州で流通するバナナは田野浦から出荷される。
現在では主要なコンテナターミナルは大規模港湾施設がある太刀浦に、旅客輸送は新門司港に移っている。その海岸から少し山側に入ると終点の田野浦に到着する。降車は専用のバス停で行われるが、バスはそのまま目と鼻の先にある門司営業所に入庫する。
西鉄バス北九州・門司営業所
門司営業所はその地形から多層構造になっており、あたかも屋上駐車場があるように見えるが実は段々畑のような上の平地にスロープで移動するようになっている。
田野浦での乗車は門司営業所の構内からで、三角形の1辺が道路沿いでここには田野浦が始終着以外のバスが停車し、門司営業所から出庫する田野浦始発のバスは構内側の辺のバス停から乗車する。待合室も自動販売機も裏側には喫煙所もあり、なかなか充実した停留所だ。
門司営業所構内には路線バスのほかに西工B高が数台止まっている。以前は門司-福岡の高速バスもあったのだが、現在では先述の福岡-下関線の一部を担当しているのでそれに使われるほか、PayPayドームやマリンメッセ福岡での大型イベントの際に、小倉経由の臨時直行高速バスとして使用される。
復路は俊足経路の175番
帰路は175番を利用したのだが、170番で乗ってきた同じ車両(門司営業所9900・日産デ西工スペースランナー)が来た。今度は山沿いを春日ランプを目指して走る。田野浦からの乗車はわずかで、山沿いの住宅街の乗客を丁寧に拾いながら走る。
門司港レトロの観光地を通らず信号も渋滞も少ないので170番よりも若干早く都市高速に乗ることができる。春日ランプからは一路、富野ランプまで9.0キロメートルを快調に流す。
富野ランプからは一般道を通り、砂津に到着した。175番も多くはそのまま小倉の市街地を抜けて大手町まで行く。門司港地区から砂津まで175番であれば35分程度で到達できる(170番は41分ほど)俊足さは、ドアツードアの路線バスならではの芸当ではないだろうか。
旅行が比較的自由になった暁には、新宿から砂津で170番に1回乗り換えれば門司港レトロまで行けるので、乗りバス行程に組み込んでみてはいかがだろうか。