YEデジタルは西鉄バス北九州と伊藤園と協力し、JR小倉駅南口ペデストリアンデッキ下にある小倉駅バスセンター5番乗り場と、西鉄バス北九州が運営管理する砂津バス停の2カ所において、バスの接近情報がわかる飲料自動販売機一体型サイネージを設置し、2023年2月23日(木)より運用を開始した。どんな自販機なのか見てみよう。
文:古川智規(バスマガジン編集部)
(詳細写真は記事末尾の画像ギャラリーからご覧ください)
■自販機とバスロケが一体になった!?
既設のバス停付近に設置されている飲料自動販売機とバスロケを一体化し、YEデジタルのモビリティサイネージクラウド「MMvision」から配信されるバスの接近情報や、バス事業者からのお知らせを表示する。
リアルタイムにバス接近情報の確認ができるほか、近くに自動販売機がないバス停で待ち時間に飲料を購入することが可能になる。
一方で、自動販売機一体型バスロケの手配は伊藤園が実施するため、バス事業者の初期投資の費用抑制のほか、飲料の売上手数料収入によりシステム維持管理費の負担も軽減できるメリットがあり、「三方一両得」ともいえそうだ。
■自販機自体も多機能マシンだ
この自動販売機に「貼り付けられる」形で設置されるバスロケだが、自販機自体も多機能なものを設置している。ホット&コールドの缶・ペットボトル等を提供するのは基本だが、nimoca(ニモカ)や全国ICカードまたはQRコードでの決済ができ、災害対応タイプ(小倉駅バスセンターのみ)も設置される。
YEデジタルのモビリティサイネージクラウド「MMvision」より配信される情報としては、バスロケとしてのバス接近情報や、バス事業者からのお知らせ(今回の場合は西鉄バス北九州からのお知らせ)などだ。
そしてバスの通過予定時刻表(平日/土曜/日祝で分かれている時刻表のうち、当日の時刻表を拡大して表示)も表示されるので、バス停に差し込まれている紙の時刻表よりも視認性が良い。
■時刻表にも超便利な工夫が……
同社が提供するデジタルバス停時刻表は、ひと工夫が加えられており当日のその時間帯の時刻表がリアルタイムで拡大表示される仕組みになっている。
たとえば平日の13時にバス停に行けば、その前後の時間帯の時刻表が拡大表示され、当然ながらフォントも大きいので高齢者でも視認性が高く間違えることが少なくなる。
こうした取り組みは、ダイヤ改正の際に省力化の成果が際立つ。詳細は別稿に譲るが、従来は営業所の社員が全停留所の時刻表をダイヤ改正に合わせて差し替えていたのが、デジタル時刻表を設置したバス停ではクラウドに登録されている電子時刻表を送信するだけでダイヤ改正対応が完了する。
■負担軽減と利用者利便性を両立
今回の自販機とのコラボもそうだが、事業者の負担軽減と同時に利用者の利便性の向上によりバスがさらに身近になり利用しやすくなる。
理想は規模の大小や乗降の多少にかかわらず全停留所への設置だが、今後の普及と新しい時代のバス停に期待したい。
【画像ギャラリー】伊藤園の自販機がバス停に?(5枚)画像ギャラリー
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