東京都交通局やJR東日本が水力発電所を所有し電力を自社線や施設に供給しているのは知られているが、西鉄も電力会社を持っている。もちろん自社施設への供給も行っているようだが、公共施設にも電力供給を行うようだ。
文:古川智規(バスマガジン編集部)
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■西鉄が電力会社になっちゃった?
西鉄自然電力合同会社と北九州パワーは、オンサイトPPAモデルによる電力供給契約を直方市と締結し、汚泥再生処理センター「クリーンHitzのおがた」における屋根置き太陽光発電設備を利用した電力供給を開始した。
2022年4月に北九州都市圏域が脱炭素先行地域として選定され、直方市はSDGsやカーボンニュートラルの推進に取り組んでいる。再エネ発電事業のノウハウを有する西鉄自然電力、電力小売事業者である北九州パワーとのPPAの締結により、同センターへ太陽光発電由来の再エネ電力を供給することで、カーボンニュートラルの実現を目指す考え。
直方市の公共施設におけるPPA第1号となる本取り組みでは、同センターの屋上部分に344枚の太陽光パネルを設置。年間の想定発電量は191306kWhで、同センターで消費する電力の約15%をカバーし、年間で約73.1トンの温室効果ガスの排出量削減に貢献する見込みだ。
また、敷地内に蓄電池を設置し、非常時には太陽光パネルで発電した一部電力を蓄電池に貯め、避難場所となる会議室への供給を可能にする。この取り組みは、西鉄自然電力においても再エネ発電事業の第1号完工案件だ。
■事業モデルの仕組み
直方市の公共施設等に太陽光パネルや蓄電池を設置しそれを所有・維持管理するのは西鉄自然電力である。もちろん土地の所有は直方市だ。その設備で発電した電力は電力小売り会社である北九州パワーから直方市(今回は汚泥再生処理センター)に供給され電力料金が支払われる。
よって直方市は施設の屋根部分や土地を西鉄自然電力に貸すだけで、設備の設置や維持管理は西鉄が行ってくれる。そこで発電された電力は北九州パワーから汚泥再生理処理センターに供給され電力料金が支払われる。
これまでの電力料金との比較は公表されていないが、少なくとも低減されないと直方市にはメリットがないことだけは確かだ。それに再生可能エネルギーで一部の電力が代替されることにより脱炭素への一歩になるというわけだ。
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